納豆の発酵の仕組みを学ぶ【京都校3期】

こんにちは。発酵食大学 京都校の講師、川崎です。
京都認定校3期、第6回目の講義テーマは「納豆」。

ものしり博士は、京都校の1期から安定の人気、ファンの多い藤原食品の藤原さんです。
人生で2回目の風邪ひき中ということでお声が出にくいご様子でしたが、準備万端にととのえてお越しいただきました。
「納豆食べていたら風邪ひかないんですよって言いたかったんですが、なんと引いてしまいました」
と少しお辛そうでしたが「人生2度目」ということでびっくり。
驚きの説得力、驚きの納豆パワーですね。

減りつつある納豆屋さんですが、今では全国に120軒ほど。
藤原食品さんはご家族で経営されている小さな納豆屋さんです。
国産大豆というだけでなく、大豆の種類にもこだわりながら手作りされている貴重な1軒です。
小粒納豆が主流な中、緑大豆や赤大豆といった大きくてぷりぷりほくほくのお豆は、蒸かしただけでもとても甘くて味わい深いのです。
お豆の食べ比べをしていると、「それらすべて納豆菌がかかっているんですよ」とおっしゃられ、さらに驚きです。
納豆が糸を引いてあの匂いになるまでに、微生物の世界ではどんなことが起こっているのでしょうか。
そして、どんな製造方法でそうなるのでしょうか。
興味津々で講義のスタートです。

関東の方は、関西では納豆は食べないなんてことを思われていたりするそうですが、そんなことはありません。
江戸時代には「納豆売り」が京都の町で納豆を売り歩いていた、しかもすぐそこの富小路で!
という文献もあり、納豆発祥の地は京都という説もあるとか。
納豆を最初に食べた人が京都の人だなんて、勇気あるなぁ~。
そして、俳句の世界では「冬の季語」として使われるそうです。
「甘酒」が夏の季語というのもそうですが、俳句の季語に発酵食が使われるなんて雅ですねぇ。
発酵食品がどれだけ生活を豊かにしていたかがうかがい知れます。

発酵食は調味料が主流な中、納豆はそのまま食べられるのが最大の魅力。
スーパーパワーを兼ね備えた最強の発酵食品です。
たんぱく質が貴重だった昔から、保存できるたんぱく源として重宝されていたのですね。

余談ですが「ひき割り納豆」はあらかじめつぶしたお豆に納豆菌をかけて作るのだそうです。
そして、納豆菌はなんと液体。
ひき割りだけでなく丸大豆にも液体の納豆菌をまんべんなくかけて、サラサラの状態であの発砲スチロールの容器に入れ温度管理して発酵すると、あのように糸引くのだそうです。
あのよくある発砲スチロールの容器、あれが納豆の発酵に最も適しているそうです。
できたてではなく、3日ほどたってからの納豆はさらに味わい深くなるそうです。
スーパーの棚の奥の方から新しい日付のものを探すのは邪道のようです。

食べ比べのトッピングでは、かつお節が一番人気。
グルタミン酸効果でうま味が7倍にもアップし、タレをかけなくてもとっても美味しい!
うま味を足すことにより美味しさがアップします。
糀でもそうですが、出汁のようなうま味を足すことでグッと可能性が広がります。

ということで調理実習のメニューは・・・

・納豆つくねのお出汁仕立て
・納豆サラダ巻
・納豆糀の冷ややっこ

「納豆とお肉を混ぜるなんて斬新で美味しい」「納豆は苦手だけど、どこに納豆があるかわからない」
というお言葉をいただいてとってもうれしかったです。
各回必ずいらっしゃる納豆苦手な方にも食べいただけるメニューを考えていたので、最高にうれしいお言葉でした。
火を通すとホクホクして大豆のような味わいになりますね。
納豆糀はしょうゆ糀を使った、すぐにできあがる万能選手。

冷ややっこ以外にも、これからは冷たい麺のトッピングとしても美味しいですよ。
保存しておけるのも魅力です。

甘酒グランプリも開催しました。
今回はサツマイモやカボチャ、玄米といった米だけでない材料で作ってきてくださった方がたくさん。
レシピにとらわれずどんどん発展されていてすばらしいですね!

これからも「目指せ1日1糀+納豆」でパーフェクトな腸内環境目指しましょう!

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