発酵食を「教える」「伝える」手段を学ぶ4日間の集中講座。
冬の1期に引き続き、石川県立大学にて大学院の2期がいよいよ始まりました!!
春の大学院は4月11~12日、5月16~17日に講義と実習があります。
最終日に認定試験に合格した方は「発酵食エキスパート」の認可を受け、教室開講や発酵食を伝える活動に役立てることができます
今回は、なんと地元からの参加はおひとりだけ。
沖縄、鳥取、名古屋、東京など、全国各地からお集まりいただきました。
その情熱におこたえせねば!とスタッフも気が引き締まる初日です。
1時間目の授業は発酵食大学専任教授・小紺先生の講義。
「発酵調味料の活用」を学びます。
小紺先生の
「日本伝統の発酵技術を伝え、新しい発酵食文化を創造していきたい」
とのメッセージに、深く何度もうなずく学生さんたち…たのもしい限りです♪♪♪
講義では、塩糀、しょうゆ糀、甘酒と、手作りできる基本の発酵調味料を詳しく紹介。
材料や仕込み方で味に大きな違いが出る「甘酒」は、地元3社の商品と、小紺先生手作りものをテイスティングしてみました。
その多彩な香りと味に、みなさんかなり驚かれたようです!
甘酒は3つの調味料の中で、最も難易度が高いのですが、それだけ奥が深く作りがいもあります。
これから何度も試して、「マイ甘酒」を作ってみてくださいね。
そして講義は実践編へ。小紺先生の調理デモです。
基本の発酵調味料をフル活用した発酵食大学の「定番メニュー」を学びましょう。
<本日のメニュー>
- しょうゆ糀のスパイシーチキン
- 塩糀のピクルス
- 中華粥
- ひじきの塩糀煮
- しょうゆ糀のとろ玉もやし
- 甘酒イチゴシェイク
デモでしっかり学習した内容を、実際に試す調理実習。
さすが、エキスパートを目指すみなさん。初対面の班編成ながら、サクサクと作業が進みます。
料理も手早く仕上がって、小紺先生の「いただきます」とともに試食がスタート!
緊張が一気にゆるんで、笑顔いっぱいのテーブルです。
食事の合間を縫って、自己紹介タイム♪
キムチ会社の経営者で「発酵についてもっと知りたい」と参加された方、
発酵食大学の東京サテライト講座で小紺先生の教えに惚れ込んだ方、
第2の人生を活かす方法として、「発酵食を取り入れた料理講座」をお考えの方、
「体力・気力の衰えを発酵食で乗り越えたい」と思った方、
そのさまざまな参加動機に、発酵食の幅広い可能性を感じました!
発酵食でお腹が満たされたところで、前半の講義の目玉、蔵見学へ。
会場は港町・美川の「任孫商店」さん。
こちらでは石川、いや日本が誇る神秘の発酵食品「ふぐの子の糠漬け」を製造されています。
県立大学から車で30分。
到着するやいなや、5代目の社長さんが迎えてくださり、熱い発酵食トークで貴重な蔵内をご案内いただきました!
長年の菌が棲みついた仕込み蔵には、芳醇な発酵臭が立ち込めています。
サバ、タラ、フグなどの糠漬け、粕漬けを手がける「任孫商店」さん。
その中でも、極めて珍しく、製法も難しいのが「ふぐの子の糠漬け」です!
塩漬け1年、本漬け2年以上、合計3年余りの発酵過程で、ふぐの猛毒が消えてしまうという奇跡的な発酵食品です。
その貴重な味を体験させていただきます♪
塩分も旨みも濃厚な味わいに、「美味しい!」と思わずもれる声。
仕込み蔵で味わう、できたての味!これが蔵見学の醍醐味なのですよ~。
伝統の味を守る製造元は地元の7軒のみ。
これからも、昔ながらの蔵とそこで育まれた菌、発酵技術を守り伝えていってほしいと、参加者一同が願った見学でした。
さて、大学に戻り、この日最後の講義です。
テーマは「発酵・発酵食品の基礎知識」。
教えてくださるのは、蔵見学にも同行され、自らも発酵食大好き人の石川県立大学 生物資源環境学部 食品微生物学研究室 小栁喬准教授です。
発酵食品と腐敗食品の違いなど学術的な講義の合間に、世界の発酵食品などトリビアな内容を交えた濃密な90分でした。
授業を終えた学生さんたちは、この夜、懇親会で盛り上がった様子。
発酵でつながる人たちは、こうしてすぐに仲良くなってしまうのです。
不思議な発酵マジックですね。
さて、明日は1日大学で講義に集中しますよ!
学生のみなさんにとって、また新たな発見の日となりますように。