小豆島発酵めぐり旅 正金醤油さん

こんにちは。発酵食大学のゆりやんです。
先日、小豆島に発酵を巡る旅に行ってきました!いつかいきたいと思っていた小豆島。ついに念願が叶いました!
小豆島の蔵をいくつか回りましたので、そのレポートを書いてみたいと思います。

小豆島は醤油づくりが盛んに行われた島

小豆島は江戸時代から塩業で栄え、その塩を活かした醤油造りも17世紀頃より盛んになった土地柄です
。明治時代の最盛期には島内に400軒以上の醤油蔵があったとされています!!

現在では約20社ほどが残り「醤(ひしお)の郷」と呼ばれる醤油の産地を形成しています。この醤の郷こそ今回の旅の目的です。

正金醤油の蔵が位置する馬木地区も古くから醤油蔵が軒を連ねる地域で、その醤油蔵の一つは明治13年(1880年)建造の木造蔵で国の登録有形文化財にも指定されています 。

創業当初より杉桶仕込みの醤油造りを守り続けており、現在も創業時から使い続ける木桶を大切に使用されています。
(蔵を案内してくださったのは、佐藤専務)

正金醤油さんの特徴

正金醤油さんの醤油造りは、創業以来受け継がれる天然醸造と木桶仕込みが大きな特徴です。

杉製の木桶に蓋をせず開放型で常温発酵させる伝統的手法で、四季のゆるやかな温度変化に委ねながらゆっくりと熟成させます 。

これが見たかったのよ!!すごい!!!実際に見るととっても迫力がありました。

機械的な温度管理や発酵促進を行わないため発酵には時間がかかりますが、その分だけ複雑で奥深い風味の醤油が生まれるそうです。

実際に、正金醤油では淡口醤油(うすくち)で約1年、濃口醤油(こいくち)で1~2年半、再仕込醤油では2~3年もの長期間、杉桶の中でじっくり醗酵・熟成させているそうです。通常、淡口醤油は短期間で発酵させて、色がつかないように熟成期間も短いのですが、正金醤油さんの淡口は、しっかり発酵・熟成されているんですね。近所のスーパーでよく正金醤油の淡口を買って愛用していたので、その製造現場を見れてさらに信頼感が高まりました!

天然醸造の淡口醤油を木桶で仕込む蔵は全国的にも珍しく、そうして生まれる醤油は色こそ淡いものの濃口醤油に劣らぬ深い旨味を湛えているのが特長なんです。

長期熟成の過程では温度や湿度の変化に伴い醤油のもろみ(醗酵中の醤油粕と液体の混在物)の状態が日々変化します。

春先から夏にかけては、ぶくぶくと音がするほど発酵が旺盛になり高温の蔵の中で、汗だくになりながら1人で撹拌作業をするそうです。
木桶の管理も大切で、木桶に住み着く「蔵付き酵母」や蔵内の多様な微生物を生かしつつ、人の手で最良の状態へ導く・・・。そんな職人技が正金醤油さんの醤油づくりを支えているんだなととっても感動しました。

嗜好品ではなく、日常の調味料として活用して欲しい

こんなに手間をかけて発酵・熟成をさせた醤油なのに、お求めやすい価格でご提供されているのはなぜですか?つい本音で質問したところ、「嗜好品ではなく、毎日気軽に使ってもらえる、あくまでも調味料でありたいと思っているんです。」と回答が返ってきました。


なんて嬉しい言葉!蔵の考え方やが商品づくりに現れていてさらにファンになっちゃいます。

正金醤油のホームページはこちらです
https://shokinshoyu.jp/

今回、丁寧に蔵を拝見させていただき、説明もたくさんしていただき本当に正金醤油さんの誠実な醤油づくりを目の当たりに体感することができました。素敵な蔵が日本にはたくさんあるんですね!伝統の木桶での製造をされていることにより、木桶の職人の仕事もつなぐことができます。

昔ながらのものを後世に伝えるというのも、大事な食文化の継承だと感じました。

発酵食大学では、2025年12月の「菌トレおとりよせ講座」で正金醤油さんの「八方だし」を取り扱っています。とってもシンプルな材料で美味しいだし醤油でした!そちらもチェックしてみてくださいね。

2025年12月23日開催 菌トレおとりよせ講座の詳細はこちら
https://hakkoushoku.jp/koza/set/42741/

 

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