こんにちは。発酵食大学のゆりやんです。
初歩から解説!味噌作り講座、いよいよ実践編にうつります!
まずは最も時間がかかる豆の煮方。ここは初心者にとってハードルが高いところですよね。簡単に味噌作りができる大豆の水煮や、味噌作りキットを利用して作るのもおすすめですが、ここでは茹でるところを解説します!
大豆を煮る工程は、味噌作りの中で最も時間がかかりますが、ここで「いかに大豆を柔らかく煮るか」が、お味噌の口当たりを左右する最大のポイントになります。
初心者の方が失敗しやすい「芯残り」を防ぐためのコツをまとめました。
1. 【最重要】煮る前の「浸漬」を妥協しない
大豆を煮る前に、しっかりと水を吸わせることが成功の8割を決めます。
まずは大豆をよく洗います。お米を研ぐ要領で何度か水を変えてしっかりと洗います。

浸水時間: * 冬場:18時間〜24時間 春秋:15時間前後
チェック方法: 大豆を一つ割ってみて、中のくぼみが平らになり、色が均一になっていればOKです。シワが寄っているのはまだ吸水不足です。
2. 「圧力鍋」vs「普通の鍋」どっちがいい?
初心者の方には、時短になる圧力鍋が人気ですが、それぞれにコツがあります。
圧力鍋で煮る場合(時短:20分〜30分)
メリット: とにかく早い。大豆が驚くほど柔らかくなります。
コツ: 蒸気口が大豆の皮で詰まると危険なため、「鍋の深さの1/3以上は大豆を入れない」のが鉄則です。
手順: 圧力がかかってから20分弱火、その後自然放置で圧を抜きます。
普通の鍋で煮る場合(じっくり:3時間程度)
メリット: 煮え具合をいつでも確認でき、失敗が少ない。
コツ: 常に大豆が煮汁に浸っている状態をキープします。
手順: 沸騰するまでは強火、その後は踊らない程度の弱火で。「差し水」をしながら、アクを丁寧に取り除きます。
3. 「理想の柔らかさ」の見極め方
「もういいかな?」と思っても、味噌作りにおいては「やりすぎ」なくらい柔らかくするのが正解です。
親指と小指でつぶす: 親指と「人差し指」ではなく、力が入りにくい「小指」で挟んで、スッとつぶれるくらいがベストです。
見た目: 豆の色が少し茶色っぽくなり、親指の腹で押すとバターのようにムニュッとつぶれる状態を目指しましょう。
味噌を仕込んだ後、大豆が少し硬く戻ることがあります。そのため、仕込み時点では「柔らかすぎるかな?」と思うくらいが、完成時にちょうど良い滑らかさになるのです。
4. 煮上がった後の「煮汁」は捨てないで!
煮上がった大豆をザルに上げる際、下にボウルを置いて「煮汁(種水:たねみず)」を必ず取っておきましょう。
役割: 潰した大豆と麹を混ぜる際、水分が足りなくて固い時に、この煮汁を加えて調整します。
メリット: 水ではなく煮汁を使うことで、大豆の旨みを逃さず、発酵もスムーズに進みます。煮汁を入れると仕上がりの味噌の色が濃くなりますので、避けたい場合は湯冷ましで硬さを調整してください。
5. 豆を潰すタイミングは「熱いうち」に!
大豆が冷めると、組織が締まって潰しにくくなります。ザルに上げたらすぐに(火傷に注意しながら)潰すのが一番楽で、きれいに仕上がります。
裏ワザ: 厚手のポリ袋に大豆を入れ、足で踏んで潰すと、手よりも楽に、かつ均一に潰せます(お子様と一緒にやるのも楽しいですよ!)。
大豆が柔らかく煮えたら、いよいよ味噌作りのメインイベント、仕込み作業です!
ここからの工程は、「いかに雑菌を防ぎ、麹が元気に働ける環境を作るか」がポイントになります。
初心者の方が迷いやすい「塩切り(しおきり)」と、カビを防ぐための「詰め方」のコツを詳しく解説します。
6. 麹と塩を混ぜ合わせる「塩切り(しおきり)」
「塩切り」とは、大豆と混ぜる前に麹と塩をあらかじめ混ぜ合わせておく作業のことです。
なぜこの作業が必要なの?
麹に塩をまぶしておくことで、麹の力を安定させ、混ぜムラによる雑菌の繁殖(腐敗)を防ぐためです。
手順とコツ
大きめのボウルや袋を用意: 麹と塩を入れます。
塊をほぐす: 麹が固まっている場合は、両手でこすり合わせるようにして、一粒ずつバラバラにほぐします。
しっかり揉み込む: 塩が麹の表面に均一にコーティングされ、全体がしっとり馴染むまで混ぜます。
7. 潰した大豆と混ぜる(混合)
次に、潰した大豆と「塩切り麹」を合体させます。ここで最も大切なのは「温度」です!

発酵食大学の味噌講座では、みんなで「手作り味噌のうた」を歌いながら混ぜます♪いがいと力がいる作業ですが、みんなでやると楽しいですよ。
硬さの調整
全体をよくこねて、「耳たぶくらいの硬さ」を目指します。
パサパサしてまとまりにくい場合は、取っておいた「大豆の煮汁(種水)」を少しずつ加えて調整しましょう。

8. 容器への詰め方:空気を抜く「味噌玉」テクニック
味噌作りにおいて、空気はカビの最大原因です。隙間なく詰めるために、昔ながらの「味噌玉」という方法を使います。

ステップ(1):味噌玉を作る
混ぜ合わせた味噌を、両手でギュッギュッと握り、野球ボールくらいの大きさの団子を作ります。こうすることで、あらかじめ中の空気を追い出すことができます。
ステップ(2):容器に「投げ入れる」
これにはストレス解消以上の意味があります!
容器の底に向かって、味噌玉を「エイッ!」と少し勢いよく投げ入れます。
衝撃で隙間の空気が押し出されます。ただし、容器が小さいと飛び散るので程々にしましょう。投げ入れなくても、数個入れるごとに、拳(こぶし)でグーッと強く押し付け、 容器の隅まで隙間がないように埋めていけば大丈夫です。
ステップ(3):表面を平らに整える
すべて詰め終わったら、表面を手のひらで平らにならします。デコボコがあると、そこに空気が溜まってカビやすくなるからです。
9. 最後の関門!「縁(フチ)」の掃除
ここが一番の「プロの隠しワザ」です。
容器の内側の壁に付いた味噌のカスは、真っ先にカビが発生する場所です。
アルコール(パストリーゼや焼酎など)を染み込ませたキッチンペーパーで、壁面をピカピカに拭き上げてください。
これができているかどうかで、数ヶ月後のカビのリスクが劇的に変わります。

仕込み完了のチェックリスト
| チェック項目 | 理想の状態 |
| 表面の状態 | 隙間なく、平らにならされている |
| 容器の壁面 | 味噌の汚れが残っておらず、清潔 |
| 仕上げの塩 | 表面にパラパラと「振り塩」がしてある |
| 密封 | ラップが味噌の表面にピタッと密着している。ラップの代わりに板粕でもOK |
| 重石 | 前回の記事で紹介した重石または代用重石をのせる |

「塩切り」を丁寧に行い、空気を抜いて「味噌玉」をぎゅうぎゅうと詰める。このひと手間が、半年後の美味しいお味噌に繋がります。
仕込みが終わったら、あとは直射日光の当たらない涼しい場所へ。「美味しくなってね」と声をかけて、ゆっくりと熟成を待ちましょう!
味噌作りにはなんと言っても「味噌蔵」の麹がお勧め。味噌の原材料の大豆のタンパク質を分解するプロテアーゼの活性が高く味噌作りには最適です。
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このブログを書いた人 発酵食大学のゆりやん
2013年に石川県の醸造メーカーの協力を得て発酵食大学を立ち上げました。企画会社である株式会社ウーマンスタイルの代表取締役でもあり、「石川県をキャンパスに見立てて発酵を学ぶなら石川へ行こう!」を合言葉に発酵のプラットフォームを目指してスタート。醸造メーカーと生活者をつなぐ取り組みになればと発酵食大学を運営しています。今は金沢校・京都校・東京校でも講師を努めています。
取得資格:女子栄養大学食生活指導士・フードコーディネーター
52歳から始めたYouTube「発酵食大学」で、「簡単で美味しくてヘルシー」な料理を提案中







