輪島市の谷川醸造さんは明治時代から100年以上続く能登を代表する老舗蔵元です。かつては清酒、焼酎の製造も行っていましたが、現在では醤油と味噌に集中し、能登の発酵食文化を担い、能登で知らない人はいない定番醤油「サクラ醤油」の醸造元として名を馳せています。
谷川醸造さんの手掛ける醤油は2種あります。一つが、生揚(きあ)げ醤油に独自のノウハウで味付けした甘口醤油の「サクラ醤油」、刺し身をはじめ魚介類と相性が良く、朝市の露店に並ぶ干物などの味付けにも使われていました。
そして、もう一つが原材料の大豆、小麦、塩のすべてに能登産を用い、昔ながらの木桶で熟成させる本醸造の「能登のお醤油」です。本醸造しょうゆは、前工場長の死去により、醤油づくりのノウハウが喪失、醤油の自社製造を一時期中止していましたが、平成23年に製造を再開。原材料と伝統的な製法へのこだわりが好評で、甘口と並ぶ柱に成長してきたところでした。
今回の地震で、築百年を超えるという蔵は全壊。蔵の中にあった木桶は野ざらし。熟成中だったモロミは木くずやがれきが混入し、使い物にならない状況でした。
醤油の味わいは、木桶や蔵にすみつく微生物の働きで生まれるものです。蔵には12の木桶があり、谷川醸造さんならではの環境が永年かけて作られてきました。建物や設備を整えることも莫大な費用がかかりますが、さらに微生物の働く環境を取り戻すことは並大抵のことではありません。
被害の少なかった一部の設備をメンテナンスして、最近ようやく一部の商品が製造できるようになったとのことです。今回の応援購入では、販売可能なものを詰合せにしてお届けします。クラウドファンディングも目標を超えて集まったとのことですが、その道のりは長く半端なものではないと思います。
糀文化を、発酵食品を次世代につなげたいというビジョンを持って事業をされている、地元石川県の谷川醸造さんを応援したいと思い、販売再開した商品の応援購入を実施します。発酵食大学購買部では持続して能登の発酵食文化を応援する企画を実施してまいります。
8月2日(金)12:15~インスタライブ実施します!
輪島からは谷川醸造の谷川ちほさん、金沢の発酵食大学からは成田校長が出演、2元中継でインスタライブを実施します。能登の現状を見ながら、聞きながら、復興に向けての思いをお聞きします。そして、今回応援購入する販売再開商品の「おかずみそ」や「こうじディップ」を試食しながらのレビューを行います。どうぞお楽しみに!
谷川醸造さんの応援購入(数量限定)
販売が再開された「おかずみそ」「こうじディップ」「サクラ醤油」詰合せ