
「美味しいぬか漬けの作り方を知りたい!」「はじめてみたいけど管理が難しそう…」
そんな思いでこの記事にたどり着いたみなさん、ようこそ!
実はわたくし、一度ぬか漬けに失敗してからの再スタート組なんです。
「冷蔵庫なら大丈夫でしょ」と油断して混ぜるのをサボり、強烈な臭いを発生させてしまった苦い過去が…。
しかし、そこから一念発起!
「なぜ混ぜる必要があるのか?」「どうすれば美味しく続くのか?」を学び、今では毎日美味しいぬか漬け生活を楽しんでいます。
失敗したからこそ分かった、初心者でも失敗しないぬか漬けの作り方と続けるためのコツをシェアしますね。
ぬか漬け成功のカギは「容器選び」
最初は「手軽にジップロックで少量から」と考えていたのですが、実はこれが失敗の原因の一つでした。
ぬか床が少ないと非常に混ぜにくく、発酵ムラが起きやすいのです。
結果、菌の管理ができずに「ちょっと混ぜ忘れただけで激臭」という悲劇に…。
やはり、初心者こそある程度の量で漬けることが成功への近道ですね。小さいとボロボロこぼれて混ぜにくいですし。

私が再チャレンジで選んだのは、野田琺瑯さんの「ぬか漬け美人」という容器。
いざという時冷蔵庫にも入るベストなサイズ感でお気に入りです。

実践編|失敗しない!基本のぬか床の作り方

それでは早速、私が2回目のチャレンジで成功した時の黄金比率で作り方をご紹介します。
今回は扱いやすい「生ぬか 600g」の分量です。
用意するもの(材料)
- 生ぬか:600g(お米屋さんやスーパーで入手可能)
- お水:600ml(ミネラルウォーターまたは煮沸して冷ました水)
- 自然塩:80g(ぬかの重さの約13%。最初は塩分高めが腐敗防止のコツ!)
- 昆布(風味付け): 5cm角を1~2枚
- 唐辛子(鷹の爪):1本
- あれば干し椎茸や山椒の実など
- 捨て野菜:適量(キャベツの外葉、大根の皮、ニンジンのヘタなど、水分の多い野菜クズ)
作り方の手順
- 塩水を作る:ボウルにお水と塩を入れ、しっかり溶かします。(完全に溶けなくても、あとで混ざるので神経質にならなくて大丈夫!)
- ぬかと塩水を混ぜる:大きめのボウル(または容器)にぬかを入れ、1で作った塩水を3回くらいに分けて注ぎます。 その都度、手で全体をよく混ぜ合わせましょう。 目指す固さはお味噌くらいの固さ。握ると指の跡が残るくらいがベストです。
- 風味づけの材料を混ぜ込む:昆布、唐辛子などのうま味材料をぬか床の中に混ぜ込みます。これが後々、奥深い味を出してくれるんです。
- 「捨て野菜」を漬ける(超重要!):ここがポイント!まだこの段階では菌が少なく、美味しいぬか漬けはできません。野菜の皮やヘタなどの「捨て野菜」を入れて、野菜についている乳酸菌や酵母をぬか床に移してあげます。野菜全体がぬかに隠れるように埋め込み、表面を平らにならして空気を抜きます。容器の周りについたぬかは、キッチンペーパーできれいに拭き取りましょう(カビ防止!)。
- ぬか床を育てる(1週間~10日):ここからが育成期間。1日2回(朝・晩)、底からしっかり混ぜて空気を含ませます。 捨て野菜は3~4日ごとに新しいもの交換してください。1週間~10日ほどして、ぬか床から「甘酸っぱいような良い香り」がしてきたら発酵完了のサイン!捨て野菜を取り出し、いよいよ本番の野菜を漬けていきましょう。
ぬか床の中で働く菌を知ろう
美味しいぬか漬けを作るには、ぬか床の中に住む「菌」のバランスを知ることが大切です。
産膜酵母(さんまくこうぼ)
酸素が大好き。表面の白い膜の正体です。増えすぎるとシンナーのような臭いがします。
乳酸菌(にゅうさんきん)
酸素が苦手。ぬか漬けの酸味と旨味を作ります。増えすぎると酸っぱくなりすぎます。
なぜ毎日混ぜるの?正しい「天地返し」の方法
毎日混ぜる理由は、この3つの菌のバランスをコントロールするため。 これを「天地返し」と言います。
混ぜ方のポイント
上部のぬか床と、底のぬか床を入れ替えるイメージで、底からグワッと大きく混ぜます。
- 下の方にたくさん増える乳酸菌に酸素を送り込む(増えすぎ防止)
- 表面の酵母を中に混ぜ込む(増えすぎ防止)
こうすることで、悪臭や変な味を防ぎ、美味しいぬか漬けの状態をキープできるのです。
(※混ぜすぎも菌が育たないので、1日1~2回でOKです!)
ぬか床の水抜きの方法

野菜を漬け続けていると、野菜の水分が出てぬか床が水っぽくなったり、塩分が薄くなったりします。
これは美味しいぬか漬け作りには避けて通れない道。変化に気づいたらケアしてあげましょう。
- 乾物を入れて水を吸わせる 昆布、干し椎茸、切り干し大根などの乾物を漬けます。余分な水分を吸ってくれる上、ぬか床に旨味がプラスされて一石二鳥です。
- 水抜き容器やキッチンペーパーを使う 専用の水抜き器を埋め込んだり、ぬか床に指で穴を開けて溜まった水をキッチンペーパーで吸い取ります。 ※水分にはうま味も含まれているので、抜きすぎには注意!
- 基本は「足しぬか + 足し塩」 水分調整の基本は、やはり新しいぬか(足しぬか)と塩を加えること。塩分濃度はぬかに対して塩10%~13%が目安です。 「最初のぬか床の味(しょっぱさ)」を舌で覚えておき、その味に近づくように調整するのが一番のコツです。
ぬか漬けが酸っぱくなった時の対処法
「なんだか酸っぱい!」と感じたら、それは乳酸菌が増えすぎているサイン。主な原因は温度が高すぎるか塩分不足です。
冷蔵庫(野菜室)へ避難させる 温度を下げて菌の活動を抑えます。
ただし、ずっと入れっぱなしだと発酵が進まないので、あくまで緊急避難として。
足しぬか・足し塩をする 塩分濃度を上げると酸味が和らぎます。
卵の殻(内側の薄皮をとったもの)や和からしを入れる これも酸味を抑える昔ながらの知恵です。
意外とイケる!ぬか漬けおすすめ食材
「ぬか漬け=きゅうり」だけじゃもったいない!
いろいろ試した中で、特に美味しかった変わり種をご紹介します。
こんにゃく
しっかりと塩もみ&下茹でをしてから漬けます。食感がたまりません。

切り干し大根
水で軽く戻してから、バラバラにならないよう、お茶パックに入れて漬けるのがコツ。


枝豆
個人的No.1ヒット!茹でた枝豆や冷凍の塩ゆで枝豆を解凍し、皮ごと漬けるだけ。お酒のおつまみに最高です。

パプリカ
フルーティーで彩りも鮮やか。食卓が映えます。

ぬか漬け作りのお悩み解決コーナー(Q&A)

実際にぬか漬け生活を始めると、「これって大丈夫?」と不安になることがありますよね。よくある質問をまとめました。
ぬか床の表面に白い膜が張りました!カビですか?
ほとんどの場合、混ぜれば大丈夫です!それは「産膜酵母(さんまくこうぼ)」といって、シンナーのような匂いの元になる菌ですが、人体に害はありません。薄っすら白い程度なら、そのままぬか床の中に混ぜ込んでしまってOKです。ただし、フワフワした毛が生えている、赤や黒、緑色のカビの場合はNG!その部分をスプーンなどで大きめに取り除くか、全体に広がっている場合は残念ですが作り直しましょう。
漬ける時間はどれくらいがベスト?
気温によって変わります。 菌は暖かいと活発になり、寒いと大人しくなります。
- 夏場(常温):半日~1日(6時間~12時間)
- 冬場(常温)や冷蔵庫:1日~2日(24時間~48時間。 あくまで目安なので、好みの浸かり具合を探るのも楽しみの一つですよ。最初は少し短めの時間で味見をしてみてください。
旅行に行きたい!数日間混ぜられない時はどうする?
冷蔵庫または冷凍庫でお休みさせましょう。
- 2~3日の留守:表面に塩を振って、冷蔵庫に入れておけば混ぜなくても大丈夫です。
- 1週間以上の長期不在:ジップロックなどに移して冷凍保存がおすすめ。菌が冬眠します。帰ってきたら自然解凍すれば、また元通りに使えますよ。 ぬか漬けがあるから旅行に行けない…なんてことはないのでご安心を!
手についたぬかの匂いが取れません…
お茶の葉やステンレスで洗ってみて。石鹸で洗ってもなかなか落ちない独特の匂い。そんな時は、出がらしの茶葉や柑橘類の皮で手をこすったり、ステンレスソープ(キッチンのシンクを触るだけでも効果あり!)を使うと匂いが取れやすくなります。でも、慣れてくるとこの匂いが「育ててるなぁ」って愛おしくなるかも?(笑)
ぬか床はどれくらい持ちますか?
手入れさえすれば一生持ちます!「ぬか床100年」なんて言葉があるように、継ぎ足し(足しぬか)と手入れを続ければ、半永久的に使えます。 長く使えば使うほど、我が家だけの深い味わいになっていきますよ。
発酵食・腸活エキスパートが教えるぬか漬けのワンポイント
ただ美味しいだけじゃない!ぬか漬けが「最強の美容液」と呼ばれる理由をご存じですか?プロの視点で、ぬか漬けのすごいパワーを解説します。
ビタミンB1が激増して疲れ知らずに!
ぬか床の栄養素が野菜に移ることで、生の野菜にはほとんど含まれていないビタミンB1が劇的にアップします。例えば、きゅうりをぬか漬けにするとなんと約10倍にもなると言われています。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える手助けをしてくれるので、疲労回復や夏バテ防止にぴったりなんです。
生きたまま腸に届く植物性乳酸菌
ヨーグルトなどの動物性乳酸菌に比べ、ぬか漬けに含まれる植物性乳酸菌は酸や塩分に強く、過酷な環境でも生き抜く力を持っています。 そのため、生きたまま腸まで届きやすく、腸内環境を整える善玉菌の強力なサポーターになってくれるのです。
食べる時のコツ
洗うのはサッとで!食べる前にぬかを洗い流しますが、あまりゴシゴシ洗いすぎるとせっかくのビタミンや菌まで流れてしまいます。流水でサッと流す程度にし、うっすらぬかが残っているくらいが栄養的にもベスト!また、加熱せず生のまま食べることで、熱に弱いビタミンや酵素も丸ごと摂取できますよ。
美味しく食べて、体の中からキレイになる。これぞ発酵食の醍醐味ですね!
ぬか漬けがある暮らし

毎日混ぜて、毎日食べる。 ぬか漬け生活を始めると、自然とご飯とお味噌汁という基本の食事がセットになり、体が整う感じがします。
外食続きだった連休も、ぬか床があるおかげでおうちご飯を楽しめました。
作り方や手入れに「絶対の正解」はありません。
菌のバランスは家庭ごとに違うもの。
失敗してもリカバリーしながら、自分だけのぬか床を育てていくのが一番の楽しみです。
余談ですが、毎日ぬか床を混ぜているおかげで指先がツルツルに!
ハンドクリームいらずの天然の潤い効果も、ぬか漬け作りの嬉しいおまけです。
このレシピの作成者(考案・監修)

発酵食大学レシピ開発チーム
(発酵食エキスパート在籍)
レシピ制作において大切にしていること
2013年から発酵食品のレシピ制作に関わっている発酵食大学の講師やスタッフが、「簡単で美味しくて、ヘルシー」をモットーに制作しています。
スーパーで気軽に手に入る食材を使い、忙しくても誰でも手軽に作ることができるレシピを心がけているので、日々のご飯づくりに参考にしていただけたら嬉しいです。
食物繊維と発酵食品を毎日コツコツ取り入れて「毎日菌トレ!」を目指しましょう。
発酵食大学のレシピ本
『発酵食大学の旨うまレシピ』がKADOKAWAから出版されています。毎日の料理がめんどうな人こそ、発酵食品がおすすめです。
塩麹・醤油麹・酒粕・甘酒を使ったレシピ90点掲載。
料理が美味しくなるのはもちろん、色々な調味料を使わなくていい、簡単に味が決まる、腸の働きをよくしてくれるなど、発酵調味料を使った料理はいいことづくめ。毎日の料理が面倒な人、時間がない人こそ作ってほしい発酵の力を生かした、ヘルシーなレシピを紹介。








