種麹屋発祥の地・京都からものしり博士が金沢へ!【エキスパート&卒業生合同勉強会】

7月21日(土)、金沢の食育会館スタジオDOに、大人気の京都校からものしり博士をお招きして、
待望の「エキスパート&卒業生合同勉強会」を開催しました!!
ものしり博士は、発酵食大学京都認定校のスターター講師である助野彰彦(すけのあきひこ)さん。
創業360年余、京都で唯一の種麹屋菱六もやしの若き当主です。
有名な“もやしや”(後ほど説明)さんにお会いできるとあって、暑さにもめげず24名参加の盛況ぶりでした。

助野社長は、早稲田大学の社会科学部を卒業後、酒造メーカーに就職が内定していましたが、
「家業を継ぐあたり専門的な基礎も学んでおきたい」と、東京農業大学短期大学に進んで醸造を学んだ熱い志の持ち主。

この日も気さくな語り口で、世界や日本の発酵食の歴史、種麹屋や麹菌について、詳しく教えてくださいました(^o^)
その内容を少しだけご紹介しますね!

<歴史について>
・日本の湿潤な気候がカビの繁殖に適していたことから、コウジカビ(麹菌)を利用した穀醤(こくびしお:現在の味噌、醤油など)が発達。
・その元祖は、奈良時代初期の「大隅国風土記」の口噛み酒(大ヒット映画「君の名は」でヒロインが神社で奉納してたアレです♪)。
・麹の製法は、ご飯に自然にカビを生やす「自然種付法」から、完成した麹の一部を次回の造りに活かす「友種法」へと変化していった。

などなど興味深いお話が続々! どんどんお話に引き込まれていきます。



いまや日本に10数軒という貴重な存在の種麹屋。その歴史についても詳しい解説が続きます。
・種麹は通称「もやし」ともいわれ、麹づくりの元となるもの。
安定した繁殖力を持つ種麹によって米麹・麦麹・豆麹などがつくられ、酒・味噌・醤油など日本のさまざまな発酵食品の原料になっている。
・平安時代末期には、朝廷や幕府の許可を得た業者だけが製造・販売できる「麹座」が誕生。
現在残る種麹屋はその流れを汲み、「もやしや」と呼ばれるようになっていった。

菱六もやしさんは麹座発祥の地、京都で長年「もやしや」を営んできたお店。
さすが! 半端じゃない歴史を感じますね~



<種麹と菱六もやしのこと>
菱六もやしさんでは、酒造・味噌・醤油・みりん・酢メーカーの要望に応えて、さまざまな種麹を作っています。
製造している種麹を、みなさんにも見ていただきました♪



緑色の種麹は初めて見る方はちょっとびっくりするかもしれませんが、日本酒・酢・みりん・味噌・醤油に使える万能の種麹です。
白色のものは、おなじみの甘酒や塩麹に使えるタイプ。
種麹は古くなると菌の繁殖力が落ちるので、新鮮なものを提供することをモットーとしておられるそうです。
種麹を実際に見る機会は中々ないので、みなさんワクワクされてました(^o^)



菱六もやしさんの種麹づくりの1年は、8月のお盆開けから翌年の6月中旬まで。
お休み期間には、麹室を解体して清掃。作業台などに柿渋を塗って防菌するのだそう。
「麹室も疲れてくるので、リフレッシュさせてあげたいんです」と、麹への愛情の込もった言葉が印象的でした!

講義後には、せっかく助野社長に会えたのだからと、種麹や甘酒づくりついての質問がたくさん出ました♪ 
助野社長からは、美味しい甘酒づくりのこんなアドバイスも。
「酒造メーカーの麹はでんぷんを分解する酵素が強いので、甘酒づくりにオススメ。雑味のないすっきりとした味わいに仕上がりますよ」
どうぞ参考になさってくださいね~

酷暑の中、爽やかな笑顔を残して京都へ戻られた助野社長、ありがとうございました。
またの来沢を期待しております\(^o^)/

 

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