【1】腸内環境は赤ちゃんのうちに決まるってホント?

待ちに待った赤ちゃんの誕生。無防備なその姿はまさに守るべき対象です。
使命感いっぱいのママには、その日から授乳やオムツ替えにあけくれる日々が 始まります。
それもこれも赤ちゃんに「快適に過ごしてほしい」「健康に育ってほしい」との愛情たっぷりの思いから。
この時期の赤ちゃんは、夜泣きや便秘、 肌荒れといった心配事も多く、ママは気の休まる間もありません。

赤ちゃんの体内の大きな変化を知っていますか?

しかし外見上の変化以上に、赤ちゃんの体内にも大きな変化が起きています。
実は胎児の腸は全くの無菌状態。生まれた瞬間、ピカピカだった腸には菌が 棲みつくようになります。
生後3日頃にはビフィズス菌が急激に増え、離乳期を過ぎる頃には、いわゆる「悪玉菌」が増えていきます。

見えないところでどんどん増える悪玉菌

わたしたちの腸内には「善玉菌」と「悪玉菌」が存在しています。
善玉菌は人間の健康に有益な働きをする菌。悪玉菌は免疫力を下げ、老化や病気を引き 起こす菌です。
善玉菌と悪玉菌は常に勢力争いをしており、善玉菌が優勢であれば健康な状態を保つことができます。
このほか、優勢になったほうの菌と同様の 働きをする「日和見菌(ひよりみきん)」という中立的な菌もあります。

授乳期の赤ちゃんの腸内細菌は約90%が善玉菌のビフィズス菌といわれます。
ところが離乳期を経て大人と同じ食事を摂るようになると悪玉菌が増え、腸内環 境は大人型のバランスになっていきます。
さらに成長してお年寄りになる頃には、ビフィズス菌がひとケタ代になってしまう人もいるそう!
高齢者の免疫力が 弱いのは、こうした「腸力の低下」が大きく関係しているのです。

欧米では、腸内環境が原因で起こる難病や生活習慣病のために「便微生物移植」(つまりウンチの移植のこと)という画期的な治療法が注目されていますが、日本では2014年から臨床試験が始まったばかり。
一般的な治療法になるまでには、まだしばらく時間がかかるのではないでしょうか。
それに、いくら腸内がキ レイになるといっても、他人のウンチを大腸に移植するのはちょっと抵抗がありますよね。

赤ちゃんの腸の未来はママが左右する

赤ちゃんの最初の腸内環境は、産道でママの腸内環境を受け継ぐという説や、母乳の影響を受けるなどの諸説があります。
欧米の実験で、母親と乳児の便 を調査した結果、4分の3に共通の菌が存在したというデータもあります。
いずれにせよ、ママの腸内環境が赤ちゃんに大きく作用するのは事実のよう。
産前産後は、赤ちゃんのためにもママは善玉菌優勢の腸内環境に整えておきたいものです。



「じゃあ、生まれた時から一生の腸内環境が決まってしまうの?」とご心配のママに。
大丈夫、善玉菌と悪玉菌のバランスは離乳食以降の食生活によって決まっ ていきます。
たとえ出産前後のママの腸内環境のバランスが悪かったとしても、食生活を改善していけば赤ちゃんの腸内環境も変わっていきます。

そのための理想的な食事の基本は「和食」。
善玉菌の好物は、食物繊維を豊富に含む野菜、豆類、そして味噌や納豆など発酵食品など。
和食なら、味噌汁や鍋、 煮物、和え物などレパートリーも豊富です。
もちろん洋食メニューにも塩糀や醤油糀などの発酵調味料を使えば、麹菌などの善玉菌をおぎなうことができます。
赤ちゃんの未来の健康のために、発酵食品や食物せんいをふんだんに使った食事を取り入れていきましょう。

まずはママ自身の食事を和食中心に心がけ、赤ちゃんには離乳期後半から納豆や味噌、甘酒などの発酵食品をスタートするのがおすすめですよ。

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