そうめんやうどん、そばなどの麺類はもちろん、煮物や炒め物の味付けにも欠かせない「めんつゆ」。市販のものを買うのが一般的ですが、身近な材料を使ってご家庭で簡単に美味しいめんつゆが作れます。
手作りのめんつゆは、市販品に含まれがちな保存料や果糖ぶどう糖液糖などの添加物を使わないため、素材本来の豊かな風味とすっきりとした後味が魅力です。
作り置きに便利な「基本の濃縮めんつゆ」と、だしパックを使って1回分だけサッと作れる「ストレートめんつゆ」の2つのレシピをご紹介します。日持ちや保存方法、料理に応じた薄め方の目安、出汁を取った後のかつお節を使ったおかかふりかけレシピまで詳しく解説します。

自家製めんつゆ(だし醤油)の魅力とは?

市販のめんつゆは手軽で便利ですが、手作りすることにはメリットがあります。
無添加で安心・安全な味わい
市販のめんつゆやだしつゆには、日持ちをさせるための保存料や、甘みを強くするための人工甘味料・調味料(アミノ酸等)が含まれていることが多くあります。手作りのめんつゆなら、使う材料は身近な基本調味料のみ。お子様がいるご家庭や、食の安全・無添加にこだわりたい方でも安心して口にできます。
自分好みの味覚に微調整できる
「市販品だと少し甘すぎる」「出汁の風味を強くしたい」といった悩みも、手作りなら自由に解決できます。甘さを控えたい時はみりんの量を調整し、出汁を濃厚にしたい時はかつお節を増やすなど、好みの味にカスタマイズが可能です。
和食の万能調味料として時短料理に活躍する
めんつゆは、醤油・みりん・出汁のうま味が一つに凝縮された万能調味料です。これひとつで味が決まるため、忙しい日の夕食作りや、煮物・和え物の味付けにかかる時間を大幅に短縮できます。
どちらで作る?「濃縮タイプ」と「ストレートタイプ」の違い
手作りのめんつゆには、大きく分けて2つの作り方があります。用途や調理時間に合せて選んでみてください。
| 違い | 【レシピ1】基本の濃縮タイプ | 【レシピ2】だしパックのストレートタイプ |
|---|---|---|
| 特徴 | 煮詰めて濃厚に仕上げる本格派 | 水で割らずそのまま使える時短派 |
| 出来上がり量 | 約320ml(作り置き向き) | 2人分(約300ml・1回使い切り) |
| 調理時間 | 約15分(+冷ます時間) | 約10分(+冷ます時間) |
| 保存期間 | 冷蔵庫で約3週間〜1ヶ月 | 冷蔵庫で約2〜3日 |
| こんな時におすすめ | いろいろな料理の調味料として使い回したい時 | 今すぐそうめんやうどんを食べたい時 |
【レシピ1】材料3つで作る!基本の濃縮めんつゆ(作り置き・万能タイプ)

まずは、冷蔵庫にストックしておくと重宝する濃縮タイプの作り方です。醤油とみりんを同量で合わせるのが失敗しない黄金比率です。
基本の黄金比率:醤油 1 : 本みりん 1 (+かつお節)
このレシピで出来上がるめんつゆは、市販の3倍濃縮〜4倍濃縮と同等の使い勝手になります。
材料(出来上がり量目安:約320ml)

- 醤油(あれば淡口) 200ml
- 本みりん 200ml
- かつお節 40g
材料選びのポイント
みりんについて
みりん風調味料ではなく、必ず「本みりん」を使用してください。本みりんを使うことで、煮切った際に豊かなコクと自然な甘み、美しい照りが出ます。
醤油について
一般的な濃口醤油で美味しく作れますが、色味をきれいに仕上げたい場合や、お吸い物・うどんのつゆに仕立てたい場合は淡口(うすくち)醤油を使うのがおすすめです。
甘さの調整
すっきりとした甘さにしたい場合は、本みりんを150〜170mlに減らし、減らした分(30〜50ml)を酒に置き換えて作ってみてください。
調理時間
5分
調理手順

ステップ1:みりんのアルコールを飛ばす(煮切り)
鍋に本みりん200mlを入れ、中火にかけます。ひと煮立ちさせてフツフツと泡立たせ、1分ほど加熱してアルコール分を飛ばします(煮切り)。みりんを先に煮切ることで、角が取れたまろやかな風味に仕上がります。

ステップ2:醤油を加える
みりんのアルコールが飛んだら、醤油200mlを加えます。

ステップ3:かつお節を投入する
醤油を加えたら、すぐにかつお節40gを鍋に入れます。最初はボリュームが多く感じられますが、菜箸や木べらで優しく押し込むようにして汁に沈めてください。

ステップ4:ひと煮立ちさせて火を止める
全体が馴染み、ふつふつとひと煮立ちしたらすぐに火を止めます。
※かつお節を入れた状態で長く煮込みすぎると、えぐみや酸味が出てしまう原因になります。煮立ったらすぐに火を止めるのがポイントです。

ステップ5:粗熱を取り、濾す
火を止めたらそのまま置き、手で触れるくらいの温度まで粗熱を取ります。粗熱を取る時間で、かつお節のうま味がじっくりとつゆに抽出されます。

ボウルの上にザルを重ね、キッチンペーパーや清潔な布巾を敷いて鍋の中身をあけます。菜箸などでかつお節を軽く押さえ、しっかり汁気を絞り出してください。

ステップ6:保存容器に入れる
しっかりと冷ましたら、清潔な保存容器(ガラス瓶やタッパー)に移し替えて完成です。


【レシピ2】だしパックで簡単!ストレートめんつゆ(2人分・使い切りタイプ)
「今日使う分だけをパパッと作りたい」「薄める計算をするのが面倒」という時におすすめなのが、市販のだしパックを使ったストレートタイプです。水で薄める必要がなく、冷やすだけでそのまま使えます。

材料(2人分)
- 醤油:大さじ2
- 本みりん:大さじ2
- 水:250ml
- だしパック:1袋(かつおやあごだし等、お好みのものでOK)
※食べるときに氷を入れる場合は、氷が溶けて薄まるので少し濃いめに作るのがおすすめ。その場合は、水の量を150〜180mlにして作ってみてください。
調理手順
- 鍋に水250ml、醤油大さじ2、本みりん大さじ2、だしパック1袋をすべて入れ中火にかける。
- 沸騰したら弱火にし、フタをせずに5分ほど加熱する。※フタをしないことで、みりんのアルコール分がしっかりと飛び、出汁の香りが引き立ちます。
- 5分経ったら火を止め、箸などでだしパックを取り出す。
だしパックを強く絞りすぎると雑味や濁りが出ることがあるため、軽く液を切る程度にして取り出すのがポイント。
美味しく仕上げるためのコツ・失敗しない注意点

強火で煮詰めすぎない
醤油を加えた後は、煮立たせすぎないように注意しましょう。醤油は加熱しすぎると香りが飛んでしまい、風味が損なわれてしまいます。
かつお節やだしパックの絞り加減
濾す際や取り出す際、あまり強く絞りすぎるとつゆが濁ったり不快な雑味が出ることがあります。ギュッと強く絞らず、優しく押さえる程度にするのが澄んだ美味しいつゆを作るコツです。
自家製めんつゆの保存期間と保存方法

手作りのめんつゆは保存料を使用していないため、保存期間を守り、衛生的に管理することが大切です。
保存期間の目安
- 濃縮タイプ:冷蔵保存で約3週間〜1ヶ月
※塩分濃度と糖度が高いため、しっかり煮切っていれば長持ちします。
- ストレートタイプ:冷蔵保存で約2〜3日
※水分量が多いため塩分濃度が低く、傷みやすいので早めに使い切ってください。
日持ちさせるための保存のポイント
- 保存容器の消毒:使用する瓶やタッパーは、事前に熱湯消毒(またはアルコール消毒)を行い、水気を完全に乾かしてからめんつゆを入れてください。
- 直付けを避ける:使用する際は、容器から直接注ぐか、清潔なスプーンを使用してください。水分や雑菌が入ると傷みやすくなります。
- 長期保存なら冷凍も可能:濃縮タイプをすぐに使い切れない場合は、製氷皿やフリーザーバッグに入れて冷凍保存することもできます。使う分だけ取り出しやすくて便利です(冷凍での保存目安:約2ヶ月)。
【用途別】濃縮めんつゆの希釈(薄め方)の目安と活用レシピ

【レシピ1】で作った濃縮めんつゆは、料理に合わせて水や出汁で薄めてお使いいただけます。
| 用途 | 希釈割合(めんつゆ:水または湯) | 使い方・ポイント |
|---|---|---|
| かけ醤油・タレ | そのまま(1:0) | 冷奴、納豆、たまごかけご飯、おひたし、刺身の漬け |
| 冷たい麺類 | 1:3 | つけつゆ(そうめん、ざるそば、ざるうどん) |
| 温かい麺類 | 1:6〜7 | かけつゆ(温かい小鉢うどん、おそば) |
| 鍋物・おでん | 1:6〜7 | 出汁で割るとより風味豊かになります |
| 煮物・肉じゃが | 1:4 | 具材の水分に合わせて調整してください |
| 丼もの(親子丼など) | 1:3 | 卵とよく絡む少し濃いめの味わいになります |
| 炊き込みご飯 | お米1合に大さじ1.5 | 水加減は通常の目盛り通りに合わせます |
具体的な料理への活用法

炊き込みご飯(お米2合分)
お米2合を研いで炊飯器に入れ、濃縮めんつゆ大さじ3を加えます。その後、2合の目盛りまで水を注ぎ、お好みの具材(鶏肉、きのこ、にんじん、れんこん、ごぼう、油揚げなど)をのせて通常通り炊くだけで、出汁の効いた優しい味わいの炊き込みご飯が完成します。
簡単な煮物(肉じゃが・かぼちゃの煮物)
水200mlに対して濃縮めんつゆ50ml(1:4の割合)を合わせ、具材とともに煮立ちさせます。落とし蓋をして弱火で煮込むだけで、味がしっかりと染み込んだ和風煮物が出来上がります。
旬の野菜の浸し(なすやアジの南蛮漬けなど)
素揚げしたなすや焼いたししとう、オクラ、ズッキーニなどを、3倍に薄めためんつゆに漬け込むだけで、居酒屋風の絶品おつまみが作れます。
出汁ガラ(余ったかつお節)で作る自家製おかかふりかけ
【レシピ1】でめんつゆを濾した後に残る「かつお節」。出汁を取った後とはいえ、醤油やみりんのうま味がたっぷり染み込んでいます。捨てるのはもったいないので、香ばしいふりかけにアレンジしましょう。

材料(作りやすい分量)
- だし醤油で使ったかつお節 適量
- ちりめんじゃこ 30〜40g
- 白ごま 大さじ1
- (お好みで)一味唐辛子またはごま油 適量

作り方手順
かつお節を炒めて水分を飛ばす
油をひかないフライパンに、濾した後の出汁ガラかつお節を入れ、弱火〜弱めの中火にかけます。焦げ付かないように菜箸でほぐしながら乾煎りし、水分をしっかり飛ばします。

じゃこを加えて炒め合わせる
かつお節がパラパラとした状態になってきたら、ちりめんじゃこを加えます。弱火でじっくり炒め、じゃこにもカリッとした香ばしさを加えます。

白ごまを加えて仕上げる
最後に仕上げとして白ごまを加え、全体を軽く混ぜ合わせたら火を止めます。大人向けにピリ辛にしたい場合は、ここで一味唐辛子を振り入れてください。

冷まして保存する
バットや皿に広げてしっかり冷ましてから、清潔な容器やジッパー付き保存袋に入れて保管します。

保存期間と召し上がり方
- 保存期間:冷蔵庫で約1週間保存可能です。使い切れない場合は小分けにして冷凍保存(約1ヶ月)もできます。
- おすすめの食べ方:炊きたてのご飯にかけるのはもちろん、おにぎりに混ぜ込んだり、お弁当のふりかけとして大活躍します。豆腐の上にのせたり、焼きうどんのトッピングにするのもおすすめです。
自家製めんつゆに関するよくある質問(Q&A)
子どもやアルコールが苦手な人が食べても大丈夫ですか?
調理の工程で本みりんをしっかりと加熱して沸騰させていれば、アルコール分は蒸発してほとんど残りません。気になる場合は、火にかける時間を少し長め(1〜2分程度フツフツとさせる)にするか、電子レンジでみりんを事前に加熱してアルコールを飛ばしてからご使用ください。
昆布や干し椎茸を加えて作ってもいいですか?
もちろん可能です。かつお節だけでなく、昆布(5cm角を1枚)や乾燥椎茸を一緒に入れて作ると、うま味成分(イノシン酸×グルタミン酸×グアニル酸)が相乗効果を起こし、より深みのある和風つゆに仕上がります。昆布を使う場合は、火にかける前の醤油とみりんに30分ほど浸しておき、沸騰直前に取り出すと雑味が出ません。
めんつゆとだし醤油の違いは何ですか?
明確な厳密な規定はありませんが、一般的にめんつゆは麺類のつゆとしてそのまま薄めて使えるよう甘み(みりんや砂糖)と出汁がしっかり効いているものを指します。一方、だし醤油は醤油をベースに出汁のうま味をプラスしたもので、甘さは控えめで作られていることが多いです。本記事の濃縮レシピは割合としてもちょうど中間であり、希釈すればめんつゆ、そのまま使えばだし醤油として幅広く活用できます。
みりんは本みりんを使ったほうが良いですか?
みりん風調味料でも作ることはできますが、仕上がりの美味しさや保存性に差が出ます。本みりんは米と米麹をじっくり熟成させて作られているため、単に甘みを足すだけでなく、出汁や醤油の風味を引き立てる自然で上品なコクが生まれます。また、本みりんに含まれるアルコール分を煮切る(加熱して蒸発させる)工程を経ることで、醤油特有の角が取れて全体がまろやかに馴染むのも特徴。さらに、つゆに照りを出し、濃縮タイプの保存性を高めてくれる効果もあります。もしみりん風調味料で代用する場合は、アルコールがほぼ含まれていないため長時間の煮切りは不要ですが、水あめなどの糖類により甘みが強く感じられやすく、日持ちも少し短くなります。後味がすっきりとした本格的な自家製めんつゆを目指すなら、ぜひ本みりんを選んでみてください。
動画で見るめんつゆの作り方
発酵食大学のYouTubeチャンネルでは、詳しい作り方が動画で見られます。
めんつゆ(だし醤油)を活用したお料理も紹介していますので、ぜひご覧ください。
一見難しそうに思えるめんつゆ作りですが、身近な材料とシンプルな工程で手軽に作ることができます。
作り置きして万能調味料として使い回したい時は濃縮タイプ、今すぐ麺類を食べたい時や少人数分ならストレートタイプと、用途に合わせて使い分けてみてください。素材のうま味が引き立つ手作り調味料で、毎日の食卓をより豊かに楽しみましょう。
発酵食大学おすすめ!基本の発酵調味料はこちら
このレシピの作成者(考案・監修)

発酵食大学レシピ開発チーム
(発酵食エキスパート在籍)
レシピ制作において大切にしていること
2013年から発酵食品のレシピ制作に関わっている発酵食大学の講師やスタッフが、「簡単で美味しくて、ヘルシー」をモットーに制作しています。
スーパーで気軽に手に入る食材を使い、忙しくても誰でも手軽に作ることができるレシピを心がけているので、日々のご飯づくりに参考にしていただけたら嬉しいです。
食物繊維と発酵食品を毎日コツコツ取り入れて「毎日菌トレ!」を目指しましょう。
発酵食大学のレシピ本

『発酵食大学の旨うまレシピ』がKADOKAWAから出版されています。毎日の料理が面倒な人こそ、発酵食品がおすすめです。
塩麹・醤油麹・酒粕・甘酒を使ったレシピ90点掲載。
料理が美味しくなるのはもちろん、色々な調味料を使わなくていい、簡単に味が決まる、腸の働きをよくしてくれるなど、発酵調味料を使った料理はいいことづくめ。毎日の料理が面倒な人、時間がない人こそ作ってほしい発酵の力を生かした、ヘルシーなレシピを紹介。
レシピ本を購入してくださった方の声
- 冷蔵庫で眠っていた塩麹や玉ねぎ麹、賞味期限を気にしなくても使い切れますね。
- 材料が少なくてとにかく簡単!
- 頑張らなくても野菜がたくさん食べられます。
- 添加物だらけの調味料とサヨナラして健康になれそう。
- あと一品欲しい時に重宝します。
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