【4】離乳食や幼児食にも使いたい!塩糀、しょうゆ糀、甘酒

赤ちゃんが母乳以外の”食”とかかわる橋渡しとなる「離乳食」。
上手に食べられるように、食事に慣れ楽しめるようにと、ママたちが一生懸命取り組むステップですね。
でも、離乳食の重要性はそれだけではありません。ここ数年、離乳食が赤ちゃんのその後の発達に影響を及ぼすことがわかってきました。その代表的なものが「味覚」と「腸内環境」です。

健康の土台を作るために

人の味覚は「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「旨味」の五味から成り立ち、その基礎は乳幼児期に完成してしまうともいわれます。
五味は自然界の素材にそのまま含まれているため、なるべく多くの食材に幼い頃に接することが大切です。なぜなら、添加物を含む加工品や濃い味に慣れてしまうと、やさしい素材の味を感知することが難しくなってしまうからです。
特に甘味には嗜好性が高く、美味しさを覚えるとそればかり食べるようになってしまうこともあります。

五味がわかる感受性の強い味覚が備われば、素材の味がわかる薄味のもの、添加物でごまかしていない新鮮な食品を好むようになります。
成長しても、味の濃いもの、脂っこい食品、甘いお菓子の食べ過ぎがなくなり、結果的に肥満や生活習慣病の防止につながります。

種類豊富な善玉菌それぞれにエサを

赤ちゃんの腸内細菌は生まれてまもなくの無菌状態から大きく変化し、3歳ぐらいまでに主なベースが出来上がります。腸内環境は善玉菌、悪玉菌、日和見菌で成り立ち、そのバランスは善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7がよいといわれます。
理想的な腸内細菌バランスは、病原菌撃退やアレルギー抑制、消化吸収の促進、心の健康を保つホルモンの形成などさまざまな恩恵を与えてくれます。

こうした腸内環境は、母乳を通して遺伝するという説や、家族の食習慣から形成されるという説がありますが、どちらも一理あるでしょう。
ですが、離乳食を工夫することによって良好な状態に導くことは可能なのです。

腸内細菌は大人になってからも「量」を増やすことはできますが、常在する「種類」はあまり変わらないといわれています。
だからこそ、腸内に棲みつく細菌の傾向が決まってくる段階で、善玉菌が好む食品を種類豊富に取り入れることが望ましいのです。
善玉菌のエサはそれぞれに違うので、多様な菌を育てるには特定の食品に偏らず、離乳食でなるべく種類多く味わせることが大切です。

離乳後期の味付けは発酵調味料で

1歳半~2歳ごろになると、赤ちゃんの消化器官は大人とほぼ同様の働きができるようになってきます。
この頃からぜひ取り入れてほしいのが発酵食です。
とはいえ、納豆や漬物はまだ食べられないので、まずは料理の味付けに「塩糀」「しょうゆ糀」「甘酒」などの発酵調味料を取り入れてみてはいかがでしょう。

発酵調味料のメリットは塩、醤油、砂糖よりも味わいが穏やかで、料理に使うと素材の風味を引き立て、栄養価も高まること。
コウジキンや酵母、乳酸菌も含まれ、善玉菌を活性化してくれます。まさに「味覚」と「腸内細菌」育てをサポートしてくれるのです。
最初は味見をしながらごくごく薄味からスタートしましょう。もう少し月齢が進んだら、栄養豊かな味噌も味付けにプラスしてもいいですね。

発酵調味料を使えば、赤ちゃん用に特別メニューを作る必要もありません。
大人と同じものを素材の段階で取り分けて、味付けの濃淡だけ変えればよいのです。
最初はタンパク質ではなく、野菜や穀物中心のメニューから始めましょう。
赤ちゃんもパパ・ママと同じものを食べるほうが食卓の一体感と楽しさを感じられますよ。
赤ちゃんの健康を考えながら、大人の献立も考えれば家族全員の腸内環境もよくなってきますので、一石二鳥です。
赤ちゃんの腸内環境が良好なサインは定期的なうんちでわかりますよ。

健康な「味覚」&「腸内環境」は教育と同じ、いやそれ以上の子どもの財産です。
大人にになって体調不良や肥満に悩み、さまざまな健康法に頼るという悪い芽を赤ちゃんのうちに摘み取りましょう。
離乳食は赤ちゃんにとって最適な時期にスタートできる最初の食育。
赤ちゃんと一緒に楽しみながら、発酵調味料でさまざまな素材の美味しさを味わってみてはいかがでしょう。
発酵食を取り入れる時期は、味付けが可能になる離乳食の終わり頃が最適です。

mama-slide2
発酵食大学オンラインショップ
通信部