もやし屋って?
甘酒や塩糀の元となる米麹は、麹屋や醸造業者で作られています。そうした製造店に麹の元を提供するのが、「種麹屋(たねこうじや)」。麹菌の胞子を「萌やし(もやし)」ということから「もやし屋」とも呼ばれています。優良な麹菌を純粋培養し、その胞子を販売するという専門性の高い業者で、現在、日本全国に存在する種麹屋は10数社しかありません。
もやし屋は室町時代に始まったといわれています。微生物の存在をまだ誰も知らなかった時代に、菌を扱う専門業者があったとは驚きですね。
米麹パウダーって何?
その貴重なもやし屋さんとして、京都に唯一存在するのが「菱六もやし」。創業360年以上の老舗です。酒、醤油、味噌、みりん、酢など全国の醸造メーカーに、一子相伝・門外不出の技で育まれた京の糀を提供しています。
同店で販売している商品に、珍しい「米麹パウダー」があります。乾燥糀をきめ細かい粉末状に加工したもので、粉砕時に麹に摩擦熱がかからないようにしているため、酵素の力が活きています。冷蔵で6か月と保存性も高い糀です。
このパウダーの特色はなんといっても、粒のない塩糀、醤油糀が作れることにあります。実は発酵調味料を手作りする方に多い悩みが、塩糀や醤油糀につぶつぶが残ること。パウダーでない通常の米麹で塩糀を作ると、こんな感じの仕上がりになります。
「つぶつぶを夫や子どもが嫌がって食べてくれない」という声も時々聞きます。
そんな方には、“つぶつぶのない”発酵調味料が作れたら、とってもありがたいですよね。また、仕込み期間がとっても短いのも大助かりです!
米麹パウダーで作ってみよう!
では、どんなものが作れるのか。米麹パウダーを使って塩糀を作ってみましょう。
作り方はとってもカンタン!
塩糀の作り方
<塩糀の基本の材料>
・米麹パウダー 30g
・水 60cc
・塩 10g
今回はこの2倍量で作ってみました。
1)米麹パウダーをはかります。サラサラとした粉末なので、とても扱いやすいです。
2)塩をはかります。
3)容器に塩→水→パウダーの順に入れ、混ぜムラができないよう、よく混ぜます。
4)仕込む前から、こんなにトロトロです!
5)そのまま常温で1日置いておきます。
6.そして翌日には、トロトロの塩糀が完成!
通常、常温で仕込むと完成まで2~4週間かかりますが、このパウダーで仕込むと、なんと翌日から使えるんです。つぶつぶが少し残っていても、混ぜればすぐに消えてしまいますよ。
肉や魚の下ごしらえ、煮物や卵焼きの調味料に使うと断然便利! つぶつぶがないので、料理の仕上がりもキレイです。醤油糀もとてもマイルドに仕上がるので、ぜひお試しください。卵かけごはんにかけたり、シューマイやぎょうざのタレがわりに使っても美味しいですよ!
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