【4】毎日の食事から腸内環境を整える発酵食品

1000種1000兆個以上の腸内細菌が棲み、日々そのバランスが変化している腸内環境。
人の体にいい影響をもたらす善玉菌をより多く育てるために、効果的な食事の摂り方があります。
それには、プロバイオティクスとプレバイオティクスの2種類の食品が必要です。

プロバイオティクスとプレバイオティクスって何?

プロバイオティクスとは、腸内環境のバランスを整え、人の健康に有利に働くとされるもので”細菌そのもの”またはそれらを含む食品を指します。
代表的なものに、乳酸菌やビフィズス菌などを含むヨーグルトやぬか漬け、キムチ、納豆などの発酵食品があげられます。

一方、プレバイオティクスは栄養源として善玉菌を活性化したり、小腸などで消化されずに大腸に届き便のカサを増やして排便を促したりします。
排便がスムーズになると、悪玉菌の栄養源の不要な排泄物が腸内に留まらないので、悪玉菌の増殖も抑えられるというわけです。
善玉菌を増やし元気にしながら、悪玉菌を封じ込める。2つの強力タッグを投入し続ければ、腸内環境を最善の状態でキープすることができます。

プロバイオティクスとプレバイオティクスを食生活に取り入れる

腸内環境を常に元気な状態にしておくために必要な食事とはつまり・・・

プロバイオティクス【発酵食品】 + プレバイオティクス【食物せんい・オリゴ糖】

を取り入れること。

プロバイオティクスといえばズバリ発酵食品が代表格です。
プロバイオティクスは食品の中の生きた菌「麹菌」「乳酸菌」「ビフィズス菌」「納豆菌」「酢酸菌」などが腸内細菌そのものとして働きますが、人それぞれの腸内環境は異なるので菌同士の相性も大切です。
ヨーグルトや納豆などは2週間ほど試してみて、スムーズなお通じや体調のよさを感じられればその食品が合う証拠。しばらく続けてみましょう。
食事で取り入れた菌は腸内に定着することは少なく排泄されてしまうので、毎日食べ続けることも大事なポイントです。

プレバイオティクスの主なものは食物せんいとオリゴ糖。
食物せんいは消化酵素で分解されず、かつては食べ物のカス的扱いでしたが、現在では健康に役立つ機能性成分とされ、たんぱく質・糖質などに続く「第6の栄養素」と呼ばれるようになりました。

水に溶けやすい水溶性食物せんい、水に溶けにくい不水溶性食物せんいがあり、それぞれをバランスよく摂ることが大事。
前者は有害成分排出、腸粘膜の保護、血糖値上昇の抑制、後者は便秘解消、肥満防止、がん予防などの効果があるといわれています。
近年では、タンパク質なのに水溶性食物せんいと同様に働くレジスタントプロテインや、水溶性・不水溶性食物せんいの両方の働きをする難消化性でんぷんも注目されています。

水溶性食物せんいを多く含むもの

わかめ、昆布、こんにゃく、こんにゃく、山芋、果物、なめこなど

水溶性食物せんいを多く含むもの

ごぼう、玄米、きのこ、切り干し大根など

レジスタントプロテインを多く含むもの

酒粕、そば、大豆、高野豆腐

難消化性でんぷんを多く含むもの

おにぎり、寿しなどの冷えたご飯、そうめん、冷やしうどん、ざるそば、ポテトサラダ、枝豆など

オリゴ糖は腸内のビフィズス菌のエサとなって腸内環境の改善に大きく役立つ成分。
食材ならタマネギ、大豆、バナナなどに多く含まれていますが、甘味料として広く出回っていますのでこちらも大いに活用しましょう。

プロバイオティクスとプレバイオティクス。これらは腸内環境改善に大きく働いてくれる2大成分ですので、朝昼晩の献立に必ず取り入れたいもの。
特に発酵食品と食物せんいの組み合わせは毎日食べるように習慣化してくださいね。

実はこの2つのほかに近年注目される第3の腸内環境有効成分があります。
それについては、また別のテーマでお話します。

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腸内環境を整える食材を使ったおすすめレシピ

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