さつまいもが手に入ったらぜひ試してほしいのが、お米の代わりにさつまいもを発酵させて作るさつまいも甘酒。
麹の酵素がさつまいものデンプンを分解することで、まるでスイートポテトのような濃厚な甘みが生まれます。
「飲む」というよりは「食べる」スイーツ感覚のさつまいも麹の発酵パワー。
お砂糖なしでも驚くほど甘い、身体に優しいおやつの作り方をご紹介します。
「さつまいもがたくさんあって使い道に困っている」、いつもの甘酒とは違う味を楽しみたい」。
そんな時は、とろりと甘いさつまいも甘酒を作ってみませんか?
レシピ監修・解説:発酵食大学 講師、発酵食・腸活エキスパート ゆりやん

蒸したさつまいもと米麹を合わせるだけで、まるで焼き芋の蜜を凝縮したような極上の味わいに変化します。
さつまいも×麹の組み合わせは、腸活や美肌づくりにも嬉しい効果がいっぱい。
誰でも失敗なく作れる「ゆる発酵」レシピで、旬の美味しさを余すことなく楽しみましょう。
ヨーグルトメーカーでさつまいも甘酒の作り方
では、早速作り方をご紹介します。
まずはさつまいもをカットしてにして蒸していきます。

電子レンジで加熱するとどうしてもパサついた感じになってしまうので、断然蒸したほうがしっとり仕上がって美味しいです。

ちょっと手間がかかりますが、ぜひ蒸して作ってみてください。
蒸し器やせいろで蒸してもいいですが、ない場合は鍋やフライパンににさつまいもと50〜80mlの水を入れ、フタをして蒸し煮にすると良いです。
さつまいもの大きさにもよりますが、10分ほどで柔らかくなります。
水気が残っていれば混ぜながら飛ばしてくださいね。

今回、皮をむいてから蒸しましたが、蒸しあがってからむいてもOK。
お好みで皮をむかずに作ってもいいですよ。
見た目はむいたほうがきれいに仕上がりますが、むかずに作った場合、多少紫の皮の色が残りますが皮の栄養も摂れるのでお家で食べる分には問題ない。

マッシャーやフォークで潰していきます。
混ぜたときに麹が全体に行きわたるようにするため、できるだけ丁寧に潰してください。
さつまいも甘酒の材料
- さつまいも 250g
- 米麹 200g
- 水 180ml
さつまいも250g、約1本分に対して、米麹200gを入れていきます。
水の量はお好みではあるのですが、ちょっとぽってりした仕上がりにしたいので、やや控えめの量にしています。

米麹は乾燥麹を使いますが、生麹でもやや仕上がりやゆるくなりますが同量で作れます。

麹とさつまいも、水を容器の中でよく混ぜます。
さつまいもは蒸したてのものだと熱すぎるので、必ず60度以下に冷ましてから米麹と合わせてください。
麹の酵素は70度以上になると働きが失活してすまうので注意してくださいね。

ヨーグルトメーカーにセットし、60度で6〜8時間加温します。
途中で2〜3時間毎に全体を混ぜると温度が均一になってとても甘く美味しく仕上がります。
麹とさつまいもがとろけて甘くなっていればできあがりの目安。
できあがったさつまいも甘酒はハンドブレンダーやミキサーで潰すと舌触りなめらかになり、サツマイモのきんとんのような、クリーミーな仕上がりになります。
おやつにこれを食べるというのもいいですね。

完成しました!
次はヨーグルトメーカーない方のために炊飯器での作り方もご紹介しますね。
ヨーグルトメーカーのほうが季節の気温に左右されることなく温度が一定に保たれて甘く美味しく仕上がりますので、ある方はヨーグルトメーカーで作ってくださいね。
炊飯器でさつまいも甘酒の作り方
材料、分量はヨーグルトメーカーで作る場合と同じです。

さつまいもを加熱する際は、切ったさつまいもと水(100〜200ml)を入れて通常モードで炊飯すると、ほったらかしで簡単にふかし芋ができます。

加熱したさつまいもは熱いうちに皮をむきます。

ジップロックなどの耐熱のジッパー付き袋に入れ、袋の上から手でよくもんで潰します。

水を先に加えます。さつまいもが熱いと70℃以上で麹菌が失活するので、水を入れて温度を下げると良いです。

米麹を加えてさらによくもんで混ぜます。

炊飯器の内釜に入れ、かぶるくらいのたっぷりのぬるま湯を加えます。
このとき、袋の口は外に出して水が入らないようにしてくださいね。
底の温度が高くなりすぎないよう、袋の下に布をひいておくと良いです。

このままフタを開けたまま、保温ボタンを押し、8時間ほどおいておきます。

途中、水が減って袋が湯から出ているようでしたら、ぬるま湯を足して中身がかぶるようにしてくださいね。

均一に甘くするために、途中で2〜3回取り出して、よくもんで混ぜ合わせると良いですよ。

袋の端をハサミで切って、消毒済みの清潔な容器に移します。

とろとろ甘いさつまいも甘酒の完成です。

そのままでも美味しいですし、豆乳や牛乳と割ってドリンクにしたり、パンやクラッカーにつけてたりして朝食やおやつにするのもおすすめ。
さつまいも甘酒の保存方法

清潔な容器に入れ冷蔵庫で保存します。
保存期間は冷蔵で1週間ほどです。
食べきれない分は冷凍保存しておくと良いです。
冷凍してもカチカチに固くならないので、ジッパー付き袋のまま冷凍して、スプーンなどで使いたい分だけ取り出すといいですよ。
さつまいも甘酒を使ったおすすめレシピ

できあがったさつまいも甘酒を使ったレシピをご紹介。
さつまいもが旬の季節やたくさん手に入ったとき、多めに作って冷凍ストックしておくと、色んな料理やスイーツに活用できて便利です。
さつまいも甘酒の芋ようかん
さつまいも甘酒を寒天で固めて芋ようかんに。砂糖不使用の素材の甘さを生かした優しい味わいなので、甘いものが苦手な人にもおすすめです。とっても簡単なのでお菓子作り初心者の方でも失敗なしに作れます。

さつまいも甘酒の豆乳ポタージュ
ほんのり甘いなめらかなポタージュ。さつまいもで食物繊維と糖質、豆乳でタンパク質も摂れて栄養バランスが良く、混ぜるだけで簡単にできるので忙しい朝食にもおすすめです。

さつまいも甘酒の栗きんとん
砂糖不使用の甘〜いさつまいも甘酒と甘栗を混ぜるだけ。おせちにぴったりな、さつまいも栗きんとん。とろっと食感の甘すぎない優しい味わいです。

さつまいも甘酒の白玉団子
さつまいもの自然な甘みを生かした体が温まるスイーツ。麹の匂いが苦手な人にもおすすめ。夏場は冷たく冷やしたり、白玉団子の代わりに焼いたお餅を入れても美味しいです。

さつまいも甘酒の作り方動画
詳しい作り方はYouTubeでも解説しています。
さつまいも甘酒(さつまいも麹)|作りで失敗しないためのQ&A
できあがりがドロドロして固いのですが、失敗ですか?
いいえ、成功です。通常の飲む甘酒と違い、さつまいも甘酒は水分が少なく、ねっとりとした芋ジャムやペーストのような固さに仕上がるのが特徴です。そのままスプーンですくって食べるのが一番美味しいですが、さらっと飲みたい場合は、お湯や豆乳、牛乳などで割って召し上がってください。
さつまいもの皮は剥いたほうがいいですか?
鮮やかな黄色に仕上げたい場合は、厚めに剥くことをおすすめします。皮ごと使うこともできますが、発酵中に皮の色が混ざり、少し黒っぽい(茶色っぽい)仕上がりになることがあります。栄養価を重視するなら皮付き、見た目の美しさや滑らかな食感を重視するなら皮なし」で作ってみてください。
保存期間はどれくらいですか?
冷蔵庫で約1週間、冷凍庫で約1か月です。一度に食べきれない場合は、清潔な容器に入れて保存してください。冷凍する場合は、1回分ずつ小分けにしてラップに包んでおくと、お弁当のデザートや料理の甘み付けにすぐに使えて便利です。
全然甘くなりませんでした。原因は何でしょうか?
温度管理が原因の可能性が高いです。麹の酵素が最も働くのは60℃前後です。70℃を超えると酵素が壊れて甘くならず、50℃以下だと甘みが出る前に酸味が出やすくなります。炊飯器のフタを開けたまま布巾をかける、保温ポットを使うなどして、適温をキープすることが甘~いさつまいも甘酒を作るコツです。
発酵食・腸活エキスパートが教えるこのレシピのワンポイント
このさつまいも甘酒の魅力は、単に美味しいだけでなく、腸内環境を整えるための*シンバイオティクス(好相性な組み合わせ)が成立している点です。
- さつまいも:善玉菌のエサとなる「水溶性食物繊維」と、腸の動きをサポートする「ヤラピン」が豊富。
- 麹(甘酒):発酵過程で生まれる「オリゴ糖」や、消化を助ける「酵素」がたっぷり。
つまり、菌のエサ(さつまいも)と菌を助ける成分(麹)を一緒に摂ることで、整腸作用が相乗効果で高まるのです。
おすすめの食べ方は腸のゴールデンタイムと言われる朝食に取り入れるのがベストです。
ヨーグルトにこのさつまいも甘酒をスプーン1杯のせるだけで、砂糖いらずの極上・腸活モーニングの完成です。
便秘気味の方や、肌荒れが気になる方は、ぜひ毎日の習慣にしてみてくださいね。
発酵食についてもっと深く学びたい方は
「通信部」がおすすめ。発酵の基本をオンラインや録画講座、テキストでしっかり学べます。
見逃した場合も、一定期間は録画で閲覧可能。
お家時間を活用して、発酵食についてより深く知識を得ることができます。
このレシピの作成者(考案・監修)

発酵食大学レシピ開発チーム
(発酵食エキスパート在籍)
レシピ制作において大切にしていること
2013年から発酵食品のレシピ制作に関わっている発酵食大学の講師やスタッフが、「簡単で美味しくて、ヘルシー」をモットーに制作しています。
スーパーで気軽に手に入る食材を使い、忙しくても誰でも手軽に作ることができるレシピを心がけているので、日々のご飯づくりに参考にしていただけたら嬉しいです。
食物繊維と発酵食品を毎日コツコツ取り入れて「毎日菌トレ!」を目指しましょう。
発酵食大学のレシピ本
『発酵食大学の旨うまレシピ』がKADOKAWAから出版されています。毎日の料理が面倒な人、時間がない人こそ作ってほしい発酵の力を生かした、ヘルシーなレシピを紹介。








