発酵食を効率よく摂取するための食材はいくつかありますが、中でも特におすすめなのが「干し野菜」。
根菜やきのこ類などを中心に、野菜は干すことにより栄養価がアップし、食物繊維などとの相乗効果でより発酵食との相性が高まります。
干し野菜のメリット
水分をなくすことで保存性を高めてくれる干し野菜。それ以外に、生野菜よりも様々なメリットがあります。
干すだけで栄養素が格段にアップする!
例えば大根を干した「切干大根」の場合、生の状態に比べてカルシウムが15倍になるなど驚くほど栄養素がアップします。
そのほかにカリウム、ビタミンD、ビタミンAなども増え、それぞれの野菜特有の栄養素が増します。
水で戻すだけ!戻し汁は出汁に使って無駄なく賢く
干し野菜を炊き込みご飯の具として使う場合、米と一緒に浸水している間に戻せます。
また、塩糀やしょうゆ糀などの発酵調味料に漬けこむだけで、水に戻す手間も省け、味付けも不要の美味しい即席漬けが完成!
水っぽくなった糠床に入れれば、干し野菜が漬け床の水分を吸って水取りが不要になるばかりか、野菜のうま味が漬け床に移ってさらに美味しく!
一石二鳥どころかそれ以上のメリットが生まれます。
野菜本来のうま味と甘みが凝縮!
野菜を干すことで特有の青臭さが軽減され、本来の甘みやうま味が凝縮、香りや風味がアップします。
歯ごたえも生まれるので、よく噛むことで唾液量が増え、ダイエット効果や口内の状態の改善が期待できます。
また、子どものアゴの発達にも役立ちます。
発酵食と相性がいい「食物繊維」が豊富
発酵食とベストマッチな食材としてまずあげられるのは、食物繊維を多く含む食品。
食物繊維は腸内細菌のエサとなったり、便秘や生活習慣病などの予防改善にも役立つおなじみの栄養素です。
干し野菜には食物繊維が豊富に含まれているので、発酵食品に含まれる微生物と一緒に摂ることで、効率よく腸内環境によい成分を摂取できます。
“余り野菜”を使って気軽に作ろう
切り干し大根や干し椎茸など、スーパーの乾物売り場で手軽に買える干し野菜ですが、実は簡単に手作りできることをご存知ですか?
日々の調理で使い切れなかった野菜を切ってザルで干しておけば、後で無駄なく美味しく使えて節約にも役立ちます。
特売でたくさん購入したとき、家庭菜園やいただきものなどで大量に手に入ったとき、手に入る時期が限られる野菜なども、干して保存しておけば長期利用でき、とっても便利ですよ!
発酵食品と食べる「干し野菜」作りにおすすめの野菜
大根、ニンジンなどの根菜類
大根、ニンジン、ゴボウ、サツマイモ、レンコン、ジャガイモ、カボチャ、ニンニク、ショウガなど
きのこ類
シイタケ、エノキ、マイタケ、シメジ、エリンギなど
葉物類
白菜、小松菜、キャベツ、大根の葉など
その他
タマネギ、キュウリ、ナス、トマト、パプリカ、ゴーヤ、長ネギなど
これらの野菜を思いついた時にさっと切って(きのこは切らなくてもOK)ザルの上に置いておくと、条件が良ければ、翌日には干し野菜になります(切り方や量、干す場所によります)。
少量ずつ作っておけば、味噌汁の具や、汁気の多いお弁当の仕切りなどにとっても重宝しますよ。
ジッパー付き保存袋に市販品に付いている乾燥材を入れて、長期保存も可能。
まずは冷蔵庫の余り野菜を使って干し野菜にトライしてみませんか?
次回は、おすすめの野菜で作る「干し野菜の作り方」をお伝えします。
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