【2】便秘or下痢。ストレスが招く現代病

● お通じの悩みは現代病

昨今の日本人の多くが便秘で悩んでいます。女性の2人に1人が便秘に苦しみ、そのうちの約70%が5日に1回しか「出せない」というデータや、小学生の半数の排便回数が「1週間に1回」というデータがあります。

原因として考えられるのは主に、

  1. 食事時間が不規則
  2. 決まったトイレタイムがない
  3. ダイエット
  4. お菓子・パンの常食

腸は定期的に刺激を与えたほうが元気に動いてくれる臓器。1・2の生活習慣は腸の活動を弱めてしまいます。3は食べる量、4は消化されずに残るカスの量が少ないため、ウンチのかさが減ってしまうのです。

成人男性の場合は対照的に「20代~50代の男性の約3分の1が下痢」という調査結果があります。これは働き盛りの男性に多い精神的なストレスや、動物性脂肪の多い食事が原因だと言われています。
ウンチを汚い、はずかしいと感じる風潮、ストレス過多の学校や職場などが現代のお通じの状況をますます追い込んでいるのかもしれません。

● 腸は第二、いや第一の脳?

便秘で「出ない」、下痢で「出過ぎる」。この両極端の現象をつかさどっているのが実は腸内細菌。環境やストレス、食生活の偏りによって腸内環境のバランスが崩れてしまっていることが根本的な原因です。

腸は近年、「第二の脳」と言われ、多様な働きが世界中で注目を浴びています。免疫細胞の70%、末梢神経の50%が集中し、人体最大のホルモン生産器であるなど、その機能は脳を圧倒するほど! 研究者の中には「腸は第一の脳」と断言する人もいます。

さらに、脳と腸は互いに影響し合って機能しているので、頭で考えたことはすぐに腸に反映されます。ストレス→下痢、緊張→便秘と、心の状態が腸の運動や腸内細菌に影響し、ウンチの状態を左右します。逆に、腸の状態がよいと集中力も発揮でき、性格も活発になるなど、脳がつかさどる分野にもそのパワーが及びます。腸と脳、両方が良好の状態であってこそ「健康」が維持できるのです。

● 健康のバロメーターとしてのウンチ

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脳をコントロールするのはなかなか難しいですが、腸は自分でコントロールできる唯一の臓器。食物繊維や発酵食品の多い食事を心がけ、適度な運動するだけで、便秘や下痢はかなり改善します。
その状態を随時チェックできるのがウンチです。肉食が多いと、ウンチは黒っぽく悪臭が強くなります。ウンチの量が少ないのは、食物繊維の不足です。「定期的にスッキリと出ているか(できれば毎日が望ましい)」「よいウンチが出ているか」を観察して、過剰に食べ過ぎているものは控え、不足しているものは補いましょう。

排便にはリズムがあるため、毎日決まった時間にトイレに行くことも大切。便は夜のうちに作られるので、朝にトイレタイムをもうけましょう。続けていけば、反射的に便意をもよおすようになります。便秘の方はぜひ、トイレタイムを意識的に作ってみてください。

こうして食事と生活リズムを整えていくと腸内環境のバランスがよくなり、よいウンチが出せるようになってきます。その爽快な毎日が脳を活性化させ、仕事や暮らしにハリが出てくるはず。食事、生活リズム、心の3つを整えて、人間が本来持っている身体のサイクルを取り戻していきたいものです。

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