料理の味付けに便利な市販のコンソメですが、もう少し体に優しいものを選びたいなと思ったときは、手作りの「玉ねぎ麹」を試してみませんか?
玉ねぎの甘みと米麹のコクとうま味が合わさった玉ねぎ麹は、コンソメ代わりにいろいろな料理に使える万能な調味料。
和食だけでなく洋風や中華風の料理にもよく合います。

ネットにあるレシピ通りに作っても「水分が足りなくてかたくなってしまった」「玉ねぎのツンとした臭いが残ってしまった」という失敗が起きることがあります。そんな失敗を防ぐために玉ねぎと水の量を調整した改良版のレシピをご紹介します。基本の黄金比から、発酵の進め方、毎日の料理に取り入れやすいレシピまで、詳しくまとめました。
玉ねぎ麹とは?
すりおろした玉ねぎに、米麹と塩を混ぜて発酵させた手作りの調味料です。玉ねぎ本来の甘みと米麹のうま味が合わさっているのが特徴で、料理に少し足すだけでコンソメのような深いコクを出すことができます。和食にはもちろん、洋風や中華風のメニューにも幅広く使えるため、冷蔵庫にひとつあるととても重宝します。
玉ねぎ麹と塩麹や市販のコンソメとの違い
玉ねぎ麹がどのような調味料なのか、よく比較される塩麹や市販のコンソメとの違いを踏まえて解説します。

塩麹との違い
塩麹は、米麹、塩、水を合わせて発酵させたもので、すっきりとした甘みと塩味が特徴です。主に和食の味付けやお肉の漬け込みに使われます。一方の玉ねぎ麹は、水の代わりに「すりおろした玉ねぎ」をベースに使います。米麹が持つうま味成分(グルタミン酸)に、玉ねぎの甘みやコクが加わるため、塩麹よりも洋食や中華、炒め物などのベースとして使いやすいのが特徴です。
市販のコンソメとの違い
市販のコンソメキューブや粉末スープの素には、多くの場合、調味料(アミノ酸等)や保存料、香料などが含まれています。手作りの玉ねぎ麹の材料は「玉ねぎ、米麹、塩、水」のみです。余計な添加物が入っていないため、素材本来の優しい味に仕上がります。
水分量を安定させる「改良版」玉ねぎ麹の材料と配合
従来のレシピでは「玉ねぎ3個に対して麹〇g」のように、個数で表記されていることが多くありました。しかし、玉ねぎは季節や大きさによって水分量が大きく異なります。水分が足りないと芯が残ったりパサついたりする原因になります。そこで今回の改良版レシピでは、「玉ねぎと水の合計を400gにする」という方法をとっています。これにより、どんな玉ねぎを使っても水分量が一定になり、ミキサーも回りやすくなります。
| 材料 | 分量 | 選び方・使い方のポイント |
|---|---|---|
| 玉ねぎ(皮をむいた状態) | 330g | 中サイズ2個弱が目安です。新玉ねぎでも作れます。 |
| 水 | 70ml | 玉ねぎと合わせて合計400gになるよう調整します。 |
| 乾燥米麹 | 100g | スーパーの豆腐・みそコーナーにあるバラ麹で問題ありません。 |
| 塩 | 60g | 全体の重量に対して約12%の塩分量です。保存性を高めるために必要です。 |
材料選びのアドバイス
玉ねぎ
一般的な黄玉ねぎを使うと、コクのある仕上がりになります。春先に出回る新玉ねぎを使う場合は、もともとの水分量が多いため、玉ねぎの割合を増やして水の量を減らし、合計が400gになるように調整してください(例:新玉ねぎ360g、水40mlなど)。
塩
精製塩(食塩)でも作れますが、ミネラルが含まれる粗塩や海塩を使うと、角が取れたまろやかな塩味になります。
玉ねぎ麹の作り方・手順
作業自体はとてもシンプルで、材料をペースト状にしてから発酵させるだけです。
ステップ1|玉ねぎをペースト状にする

玉ねぎを切る
玉ねぎの皮をむいて芯を取り、ミキサーやフードプロセッサーにかきやすい大きさにざく切りにします。この時点で重さを量り、330gを用意します。

ミキサーに入れ撹拌する
ミキサーの容器に、カットした玉ねぎを入れます。全体がなめらかなペースト状になるまでしっかり攪拌します。
このとき、米麹や塩、水も一緒に合わせて撹拌しても良いです。麹の粒が少し残る程度であれば、発酵するうちに柔らかくなるので問題ありません。
ステップ2|発酵させる(2つの方法から選ぶ)
玉ねぎがペースト状になったら、容器に移して、水70ml、乾燥米麹100g、塩60gを加えてよく混ぜ発酵させます。お持ちの器具やライフスタイルに合わせて、以下のいずれかの方法で行ってください。
ヨーグルトメーカーを使う場合(手軽に早く作りたいとき)
温度が一定に保たれるため失敗が少なく、約8時間で完成します。

専用容器を消毒する
ヨーグルトメーカーの容器と、かき混ぜる用のスプーンを熱湯かアルコールで消毒し、清潔な状態にします。

材料を入れ混ぜ合わせる
ミキサーでペースト状にした玉ねぎ、水、乾燥麹、塩をすべて容器に移し、スプーンでよく混ぜ合わせます。

温度と時間を設定する
本体にセットし、【温度:60℃ / 時間:6時間】に設定してスタートします。

途中で混ぜる
開始から3〜4時間ほど経ったところで一度フタを開け、清潔なスプーンで底から全体をよくかき混ぜます。熱が均一に伝わり、発酵がスムーズに進みます。
常温で発酵させる場合(じっくり作りたいとき)
特別な道具を使わず、お部屋の温度でゆっくり発酵させる方法です。

保存容器を用意する
熱湯かアルコールで消毒した、ガラス製またはプラスチック製の清潔な容器を用意します。

材料を入れ、蓋を緩めに閉める
ペースト状にした玉ねぎ、水、米麹、塩をボウルなどでよく混ぜ合わせ、容器に入れます。ミキサーで全ての材料を撹拌してペースト状にして作っても良いです。発酵の過程でガスが出ることがあるため、蓋はきつく閉めず、少し緩めておきます。
1日1回かき混ぜる
直射日光の当たらない涼しい場所に置きます。1日1回、清潔なスプーンで底から空気を含ませるようにしっかりとかき混ぜてください。空気に触れさせることで雑菌の繁殖を防ぎ、発酵が促されます。
季節ごとの期間の目安
- 春・秋:約5日〜1週間
- 夏場:約3日〜5日(室温が高いと早く進みます)
- 冬場:約10日〜2週間(室温が低い場合は、暖かい部屋に置くと進みやすいです)
ステップ3|お好みでハンドブレンダーでさらになめらかに

発酵が終わった状態でもそのまま料理に使えますが、麹の粒々感をなくして、よりなめらかに仕上げたい場合は、できあがった後にハンドブレンダーやミキサーでもう一度攪拌するのがおすすめです。こうすることで、ポタージュのようにつるんとした質感になり、ドレッシングにしたりスープに溶かしたりするときに、より馴染みやすくなります。ひと手間かかりますが、口当たりや使いやすさにこだわりたい方は、ぜひ試してみてください。
完成の見極め方と発酵中の変化
玉ねぎ麹は、発酵が進むにつれて見た目や香りが変わっていきます。完成したかどうかの判断基準を知っておくと安心です。

仕込み直後
全体が真っ白、または薄い緑色をしています。生の玉ねぎ特有のツンとした刺激臭があり、舐めると塩気が強く感じられます。
発酵の途中
徐々に色がベージュや薄いピンク色に変化していきます。刺激臭が少しずつ和らぎ、麹の粒が水分を吸って柔らかくなってきます。
完成の目安
全体が薄いピンク色、またはきれいなベージュ(きつね色)に変わります。玉ねぎの生臭さが消え、じっくり炒めた玉ねぎのような、少し甘みのある香りがしてきたら完成です。舐めてみて、塩味の奥にコクや甘みがあれば問題ありません。完成した後は、蓋をしっかり閉めて必ず冷蔵庫で保存してください。
よくある質問・トラブルと対処法(Q&A)
初めて作るときによくある疑問や、これって失敗?と思ったときの対処法をまとめました。

表面に白い膜のようなものが浮いてきました。失敗ですか?
異臭がしなければ、多くは産膜酵母(さんまくこうぼ)という酵母菌の一種です。体に害はありませんが、そのままにしておくと風味が落ちる原因になります。見つけたらその部分をスプーンで薄くすくい取って捨て、全体をよくかき混ぜてください。
※産膜酵母は表面に薄い膜のように平らに広がるのが特徴です。一方、黒・緑・赤はもちろん、白い場合でも、フワフワ・モコモコと立体的に盛り上がっていたり、糸状のものが見える場合はカビの可能性があるため、そのときは全体を処分してください。色だけでなく膜状か、立体的かという見た目の質感で見分けることが大切です。
色が茶色っぽくなってきたのですが大丈夫ですか?
大丈夫です。玉ねぎの成分による自然な変化です。玉ねぎに含まれるアミノ酸と糖分が反応して濃い色になることがあります(カレーの玉ねぎを炒めると茶色くなるのと同じ現象です)。酸っぱい臭いや異臭がしなければ、熟成が進んでいる証拠ですのでそのまま使えます。
少し酸っぱい匂いがします。問題ないですか?
わずかな酸味であれば問題ありませんが、強い酸味や異臭がある場合は注意が必要です。常温で発酵させる際、かき混ぜ方が足りなかったり室温が高すぎたりすると、乳酸菌が働きすぎて酸味が強く出ることがあります。ツンとする不快な酸っぱさや、明らかに腐ったような臭いがする場合は、雑菌が繁殖している可能性が高いため、食べるのは避けてください。
出来上がりが固くてパサパサしています。どうすればいいですか?
あとから水と塩を少し足して調整できます。玉ねぎの水分が少なかった場合、仕上がりが固くなることがあります。その場合は、【水 25ml + 塩 3g】をよく混ぜ合わせたものを玉ねぎ麹に加え、全体を馴染ませてください。水だけを足すと塩分濃度が下がり、保存性が落ちてしまうため、必ず少量の塩と一緒に足すのがポイントです。
舐めてみたら少し塩辛いです。塩の量は減らせますか?
今回のレシピであれば、塩の量を50gまで減らして(塩分濃度10%)作ることができます。塩辛さが気になるときは、塩を少し減らしてマイルドに仕上げることも可能です。今回の分量(玉ねぎ330g、水70ml、乾燥米麹100g)で作る場合、塩を50gにすると、ちょうど塩分濃度が10%になります。ただし、塩の量をこれ以上(50g未満に)減らしすぎてしまうのはおすすめできません。塩分には味付けだけでなく、雑菌の繁殖を抑えて腐敗を防ぐ大切な役割があるからです。塩分が少なすぎると、常温では発酵の途中でカビが生えやすくなってしまいます。
生麹でも作れますか?
生麹でも同じように作ることができます。生麹は乾燥麹に比べて、もともと水分を多く含んでいます。そのため、出来上がりが少しゆるめ(水分が多め)の質感になりますが、発酵の進み具合や味には問題ありませんので安心してください。もし、乾燥麹で作るときと同じくらいの固さに仕上げたい場合は、レシピにある水の量を少し(20mlほど)減らして調整してみるのがおすすめです。
ミキサーがない場合はどうしたらいいですか?
おろし金を使って玉ねぎをすべてすりおろしてください。玉ねぎをすりおろしたら、水、麹、塩を加え、スプーンなどでよく混ぜ合わせれば同じように作ることができます。
玉ねぎ麹のメリットと体への働き
玉ねぎ麹は、料理を美味しくするだけでなく、毎日の食生活にも取り入れやすい食材です。

お肉や魚を柔らかくする
麹には「プロテアーゼ」というタンパク質を分解する酵素が含まれています。お肉や魚を調理する前に玉ねぎ麹に漬け込んでおくと、この酵素の働きによって繊維がほぐれ、加熱しても硬くなりにくく、しっとりとした食感に仕上がります。同時に、タンパク質が旨み成分(アミノ酸)に分解されるため、素材そのものの美味しさも引き出されます。
腸内環境のケアに
麹に含まれる酵素の働きによって、原料のでんぷんなどが分解され、糖類が生まれます。また玉ねぎ自体にも「フラクトオリゴ糖」や「食物繊維」が豊富に含まれており、これらは腸内の善玉菌のエサになると言われています。玉ねぎ麹として一緒に摂ることで、腸内環境のケアに役立つと言われています。
玉ねぎ麹を使ったおすすめレシピ10選
玉ねぎ麹を使った具体的なレシピご紹介します。味付けのベースを玉ねぎ麹にするだけで、少ない調味料でも味が決まりやすくなります。
お肉やお魚を柔らかくジューシーに(下味として)
鶏肉、豚肉、魚の切り身など、食材の重さに対して約10%の玉ねぎ麹(お肉300gなら大さじ1.5ほど)をまぶし、冷蔵庫で数時間〜一晩寝かせてから調理します。麹の酵素の働きで、お肉がしっとり柔らかくなり、うま味も引き立ちます。
野菜と合わせて腸活おかず(和え物・ドレッシング)
玉ねぎ麹のコクとうま味は、野菜との相性も抜群。きゅうりやキャベツなどをカットし、玉ねぎ麹で和えて少し置くだけで美味しい和え物に。オリーブオイル、酢、玉ねぎ麹を混ぜ合わせるだけで、風味豊かなドレッシングが完成します。
スープや煮物のコク出し(隠し味として)
ご飯の味付けに
玉ねぎ麹はご飯ものとも相性がぴったりです。お米と一緒に炊き込んだり、仕上げに混ぜ込んだりするだけで、お米一粒一粒に玉ねぎの甘みと旨みがじわっと染み込みます。
玉ねぎ麹の保存方法と賞味期限
せっかく作った玉ねぎ麹を長持ちさせるための、正しい保存方法です。

冷蔵保存の場合:約3ヶ月
完成した玉ねぎ麹は、必ず密閉できる清潔な容器に入れ、冷蔵庫で保管してください。冷蔵庫の中でも非常にゆっくりですが発酵は続くため、時間が経つほど角が取れてまろやかな味になります。使うときは、「完全に乾いた、清潔なスプーン」を使用してください。濡れたスプーンや、他の食材がついたスプーンを入れると、そこから雑菌が繁殖してカビの原因になります。
冷凍保存の場合:約6ヶ月
長持ちさせたい場合や、使い切れない場合は冷凍保存も可能です。玉ねぎ麹は塩分濃度が高いため、家庭用の冷凍庫に入れてもカチカチには凍らず、少し固めのペースト状(シャーベット状)のまま保たれます。そのため、使うときは冷凍庫から出してすぐ、必要な分だけスプーンですくい取って料理に使うことができます。解凍の手間がかからず便利ですので、多めに作ったときは冷凍保存も検討してみてください。ジッパー付きの保存袋に平らにして入れておくと場所を取りません。
まとめ
手作りの玉ねぎ麹は、材料さえ揃えばミキサーを使って簡単に仕込むことができます。
今回のポイント
黄金比は「玉ねぎ+水=400g」「麹100g」「塩60g」。水分量を固定することで、失敗しにくくなります。発酵はヨーグルトメーカーなら8時間、常温なら数日〜2週間が目安。ツンとした臭みが消え、薄いピンク〜ベージュ色になり、甘い香りがしてきたら完成。スープ、炒め物、お肉の下味など、コンソメや塩の代わりに幅広く使えます。冷蔵庫にひとつ常備しておくだけで、日々の料理の味付けが手軽になり、優しいうま味を足すことができますよ。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
動画で見る玉ねぎ麹の作り方と活用レシピ
Youtubeでも詳しく解説しています。
麹調味料を手作りしたい方はこちらがおすすめ
このレシピの作成者(考案・監修)

発酵食大学レシピ開発チーム
(発酵食エキスパート在籍)
レシピ制作において大切にしていること
2013年から発酵食品のレシピ制作に関わっている発酵食大学の講師やスタッフが、「簡単で美味しくて、ヘルシー」をモットーに制作しています。
スーパーで気軽に手に入る食材を使い、忙しくても誰でも手軽に作ることができるレシピを心がけているので、日々のご飯づくりに参考にしていただけたら嬉しいです。
食物繊維と発酵食品を毎日コツコツ取り入れて「毎日菌トレ!」を目指しましょう。
発酵食大学のレシピ本
『発酵食大学の旨うまレシピ』がKADOKAWAから出版されています。毎日の料理が面倒な人こそ、発酵食品がおすすめです。
塩麹・醤油麹・酒粕・甘酒を使ったレシピ90点掲載。
料理が美味しくなるのはもちろん、色々な調味料を使わなくていい、簡単に味が決まる、腸の働きをよくしてくれるなど、発酵調味料を使った料理はいいことづくめ。毎日の料理が面倒な人、時間がない人こそ作ってほしい発酵の力を生かした、ヘルシーなレシピを紹介。
レシピ本を購入してくださった方の声
- 冷蔵庫で眠っていた塩麹や玉ねぎ麹、賞味期限を気にしなくても使い切れますね。
- 材料が少なくてとにかく簡単!
- 頑張らなくても野菜がたくさん食べられます。
- 添加物だらけの調味料とサヨナラして健康になれそう。
- あと一品欲しい時に重宝します。
など、発酵調味料を使った料理のハードルが下がったというレビューをたくさんいただいています!詳細はAmazonレビューをご覧ください。





コンソメや顆粒だしの代わりに玉ねぎ麹を少し加えると、発酵ならではの優しい旨みが加わり、味に深みが出ます。カレーやシチュー、お味噌汁の隠し味にもおすすめです。





