失敗しない「納豆麹(糀納豆)」の基本の作り方をご紹介します。納豆麹は、納豆と米麹をあわせて作る東北地方伝統の発酵常備菜。手軽に作れて万能に使えることから、近年改めて人気を集めています。
麹や調味料と合わせることで、納豆独特の風味がまろやかになり、うま味と深みが格段にアップするのが魅力です。今回は、毎日の食卓で続けやすいよう塩分控えめにアレンジしたレシピをお届けします。納豆麹の魅力や基本レシピに加え、日持ちの目安、おすすめの食べ方やアレンジ案まで詳しく解説します。

納豆麹とは?どんな特徴がある?
納豆麹は、納豆に米麹、にんじんや昆布などの具材、醤油やみりんなどの調味料を混ぜ合わせて熟成させたものです。納豆と麹という2つの発酵食品を組み合わせることで、以下のような特徴が生まれます。
- うま味が深くなる:麹の酵素が素材のタンパク質を分解し、うま味成分(アミノ酸)を引き出します。
- 納豆特有の風味がマイルドになる:麹や調味料と合わせることで、納豆が少し苦手な方でも食べやすい味わいになります。
- 素材の味わいを楽しめる:今回のレシピは塩分控えめなので、しょっぱくなりすぎず、ご飯にかけるだけでなくそのまま小鉢としても美味しくいただけます。
納豆麹の魅力とおすすめポイント
日常的に使う調味料や常備菜として重宝するおすすめポイントをご紹介します。

麹と出汁のうま味で美味しく食べられる
市販の納豆麹(糀納豆)は塩分が少し強めですが、今回のレシピは毎日食べやすいよう塩分控えめに調整しています。麹や昆布のうま味がしっかりと効いているため、塩分を抑えても深みのある美味しい味わいに仕上がります。
冷蔵庫で約1週間保存できる
作ってから冷蔵庫で約1週間日持ちします。週末に作っておけば、平日忙しいときのご飯のお供や、あと一品欲しいときのおかずとして活躍します。
ご飯のお供から和え物、トッピングまで使える
そのままご飯に乗せるのはもちろん、いろいろな料理にアレンジできます。
- 冷奴や温かいお豆腐に乗せる
- 生野菜や茹でた野菜(ほうれん草やアボカド、きゅうり、オクラ、長芋など)と和える
- うどんやパスタの具材・味付けにする
- 納豆トーストの具材にする
味付けが整っているので、和えるだけ・乗せるだけでひと品が完成します。
納豆麹の作り方・レシピ

一般的な納豆麹にはにんじんがよく使われますが、今回は切干大根を使ったレシピをご紹介します。切干大根を使うことで食物繊維がしっかりと摂れるだけでなく、噛むほどうま味と甘みが広がり、ポリポリとした食感も楽しめます。また、本みりんのアルコールを煮立たせて飛ばす工程を入れているため、お子様やアルコールが苦手な方でも安心して召し上がっていただけます。
なお、定番のにんじんを使った作り方は後ほどご紹介します。
材料(作りやすい分量)
- 米麹(乾燥または生) 100g
- 納豆 3パック(約120〜135g)※付属のたれ・からしは使いません
- 切干大根 15g
- 刻み昆布 5g
- 醤油 大さじ4
- 本みりん 大さじ3
- 水 大さじ4
※今回のレシピでは手作りのわら納豆を使用していますが、もちろん市販のパック納豆をお使いいただいても全く問題ありません。お好みの納豆で気軽にお試しください。
材料の注意点
- みりん風調味料ではなく本みりんをお使いください。加熱してアルコール分を飛ばすことで、まろやかなコクと深みのある甘みが引き立ちます。
- 板麹などで米麹固まっている場合は、混ぜやすいようにあらかじめ手でほぐしておきます。
- 納豆付属のたれやからしは今回は使用しません。
調理時間
15分(※粗熱を取る時間・冷ます時間は除く)
作り方

1. 切干大根はたっぷりの水に10〜15分ほど浸して戻し、軽く水気を絞ります。納豆や他の具材と馴染みやすいよう、1〜2cm程度の細かさに刻んでおきます。

2. 小鍋に醤油、本みりん、水を入れて中火にかけます。ひと煮立ちさせてみりんのアルコール分を飛ばしたら、火を止めます。

3. 熱いうちに1の切干大根と刻み昆布を加えてさっと混ぜ合わせます。

4. 鍋底を水につけるなどして、手で触れるくらいの温度(約60℃以下)までしっかりと粗熱を取ります。その後、米麹を加えて全体を均一によく混ぜ合わせます。

5. 全体が完全に冷めたことを確認したら、納豆を加えて軽くほぐしながら混ぜ合わせます。清潔な保存容器(ガラス瓶やタッパーなど)に移し、フタやラップをして冷蔵庫で2〜3日置いたら完成です。
※今回はホーローの小鍋ごと冷蔵庫に入れて置きました。

失敗しないための注意点・美味しく作るコツ

切干大根は細かく切り、水気は軽く絞る
切干大根が長いと箸で持ち上げにくく、他の具材ともうまく絡みません。1〜2cm程度に細かく刻んでおきます。また、水気を固く力いっぱい絞りすぎると全体の水分が不足してしまうため、手で軽く絞る程度にとどめます。
煮立たせるときはグラグラ沸騰させすぎない
調味料と水を火にかける際、強火で長く沸騰させてしまうと水分が蒸発してしまいます。水分が減ってしまうと出来上がりのときに米麹がしっかり戻らず、柔らかくならない原因になります。ひと煮立ちしたらすぐに火を止め、水分を飛ばしすぎないように注意しましょう。
麹を加える温度に注意する
麹に含まれる酵素は熱に弱いため、熱い煮汁に加えると働きが弱まってしまいます。酵素の力を生かすためにも、煮汁は60℃以下(鍋肌に手で触れられるくらいの温度)まで冷ましてから混ぜてください。
納豆は完全に冷めてから混ぜる
具材や麹が温かい状態で納豆を加えると、熱によって納豆特有の匂いが強く立ちやすくなります。また、納豆に含まれる酵素(ナットウキナーゼなど)も熱に弱いため、必ず全体が完全に冷めたことを確認してから納豆を加えてください。
翌日に1回かき混ぜる
冷蔵庫に入れて1日経つと、麹が水分を吸って全体が少し引き締まります。全体を均一に熟成させるため、翌日に清潔なスプーンで全体を底からさっくりと1回かき混ぜるのがおすすめです。
納豆麹の作り方・保存でよくある質問(Q&A)
冷蔵庫で何日くらい日持ちしますか?
1週間程度が目安です。清潔な容器に入れ、取り出す際は清潔なスプーンを使うようにしてください。雑菌の混入を防ぐことで、より美味しく安全にお召し上がりいただけます。しっかりフタをして冷蔵庫で保存してください。もし1週間で食べ切れない場合は、冷蔵庫で2〜3日置いて食べ頃になってから冷凍保存すると良いです。
常温で熟成・保存しても大丈夫ですか?
常温ではなく、必ず冷蔵庫で熟成・保存してください。常温に置くと酸味が出たり、納豆特有のにおいが強く出すぎてしまうことがあります。また、温度管理が難しい常温環境では雑菌が繁殖しやすく、腐敗の原因にもなります。冷蔵庫の中でも麹の酵素はゆっくり働くため、2〜3日置くことで角が取れてうま味が馴染みます。
パサパサして混ぜにくいです。どうしたらいいですか?
水(大さじ2〜)を加えて全体を混ぜ合わせ、冷蔵庫に置いて馴染ませてください。使用する麹の元の水分量や、調味料を煮立たせたときの水分蒸発量などによって、出来上がりの水分量が足りなくなることがあります。パサついて混ぜにくかったり、米麹に少し芯が残るような場合は、お水を大さじ2〜加えて全体をよく混ぜ合わせ、冷蔵庫でさらに1日ほど置いてみてください。麹が水分を吸って柔らかく馴染んでいきます。
冷凍保存はできますか?
冷凍保存も可能です。作ってすぐに冷凍するのではなく、冷蔵庫で2〜3日置いて麹が柔らかくなり、食べ頃になってから冷凍するのがポイント。ラップで1回分ずつ小分けにするか、冷凍用の保存袋に入れて保存してください。食べるときは前日に冷蔵庫へ移して自然解凍します。
刻み昆布がない場合、出汁用の昆布でも作れますか?
出汁用の昆布でも問題なく作れます。出汁用の大きな昆布(板昆布)を使う場合は、キッチンバサミで細長く刻んでからご使用ください。もし固くて切りにくい場合は、表面をサッと水にくぐらせて少し柔らかくしてからカットすると刻みやすくなります。加熱する工程でさらに柔らかくなり、昆布のうま味が煮汁にしっかり溶け込みます。
みりんは本みりんを使ったほうが良いですか?
基本的には本みりんのご使用をおすすめします。みりん風調味料や発酵調味料(加塩みりん)の中には、塩分や糖類が添加されているものが多くあります。これらを使用すると、塩辛くなってしまったり、保存性に影響が出たりする場合があります。また、本みりんはもち米と米麹から生まれる自然な甘みとコクが特徴です。加熱してアルコール分をしっかり飛ばすことで上品なうま味が引き立ち、全体の角を取ってまろやかな味わいに仕上がります。
ひきわり納豆や大粒納豆で作ってもいいですか?
お好みの納豆でお作りいただけます。基本は小粒〜中粒の納豆が作りやすいですが、ひきわり納豆を使うと切干大根や昆布とよく絡み、ご飯にのせやすい食感に仕上がります。大粒納豆を使うと大豆の存在感がしっかり残るため、お好みに合わせてアレンジしてみてください。
米麹は生麹と乾燥麹のどちらを使えばいいですか?
どちらをお使いいただいても美味しく作れます。板状になっていれば、あらかじめ手で一粒ずつほぐしてからお使いください。
おすすめの麹はありますか?
石川県金沢市にあるヤマト醤油味噌さんの乾燥糀を愛用しています。乾燥麹なので常温保存ができ、使いたいときにサッと使えるためストックしておくと便利です。納豆麹作りにはもちろん、塩麹や醤油麹といった手作りの発酵調味料づくりにも幅広く重宝します。
納豆麹ににんじんを入れる場合の作り方

納豆麹でよく使われるにんじんを使って作ることもできます。にんじんを入れると彩りが鮮やかになり、自然な甘みが加わります。切干大根をにんじんに変えるだけで簡単に作れますので、お好みに合わせて試してみてください。

材料の変更点
切干大根 15g ➔ にんじん 約50g(中サイズ1/3本程度) に置き換えます。
にんじんを入れるタイミングと手順
- にんじんは洗って皮をむき、3cmくらいの長さの千切りにします。
- 鍋に醤油、本みりん、水を入れて中火にかけます。ひと煮立ちさせてみりんのアルコール分を飛ばしたら、火を止めます。火を止めた直後の熱い煮汁に、切ったにんじんと刻み昆布を入れてサッと混ぜ合わせます。※余熱でにんじんにほんのり火が通り、味がしっかり染み込みます。
- あとは基本レシピと同じです。鍋肌が手で触れるくらい(60℃以下)まで冷めたら米麹を加え、完全に冷めてから納豆を混ぜ合わせます。
美味しく作るワンポイント
にんじんはできるだけ細切りにすると、調味料の余熱でしんなりして麹や納豆と馴染みやすくなります。食感を少し残したい方はやや太めに、柔らかく仕上げたい方はスライサーなどで細く千切りにするのがおすすめです。
納豆麹の美味しい食べ方・おすすめのトッピング
出来上がった納豆麹は、そのままでもうま味たっぷりで美味しく召し上がっていただけますが、薬味やトッピングを少しプラスするだけで味わいがさらに広がります。

定番!あつあつご飯にのせて
炊きたてのご飯にたっぷりのせるのが一番の基本です。麹の旨みと塩気がお米の甘みを引き立てます。

さっぱりいただく冷奴に
豆腐の上にのせるだけで、食べごたえのある一品に。食欲がないときや、あと一品欲しいときのおつまみにもぴったりです。

香りと風味がアップするトッピング
お好みで刻み海苔やかつお節を散らすと風味が一段と豊かになります。少しピリッとしたアクセントが欲しいときは、七味唐辛子や一味唐辛子を振りかけるのもおすすめです。
納豆麹を使った簡単アレンジ
納豆麹と野菜を合わせて、和え物にするだけでパパッと美味しい副菜が完成します。
納豆麹の梅オクラ和え

ねばねば食材のオクラと梅干しの酸味が合わさった、さっぱりと食べられる和え物です。
材料(2人分)
- オクラ 8本
- 梅干し 1〜2個
- 納豆麹 50〜60g
作り方
- オクラは塩(分量外)を振って板ずりし、熱湯で1〜2分茹でて冷水にとります。
- 水気を切り、7〜8mm幅に切ります。
- ボウルに1のオクラ、種を取り除いて包丁で叩いた梅干し、納豆麹を入れて全体をよく和えます。
ワンポイント
- お好みで仕上げにかつお節を和えたり上に散らしたりすると、さらにうま味が加わって美味しいのでおすすめ。
- 使う梅干しによって塩分が異なるため、味をみて梅干しの量は調整してください。
納豆麹のきゅうり塩麹和え

塩麹で揉んだきゅうりのポリポリ食感が心地よい、おつまみにも最適な一品です。
材料(2人分)
- きゅうり 1本(100g)
- 塩麹 大さじ1/2
- 納豆麹 50〜60g
- ごま油 小さじ1/2
作り方
- きゅうりは5mm角に切ります。ボウルに入れて塩麹を加え、軽く揉み込んで5〜10分ほど置きます。出てきた水気を手でしっかり絞ります。
- 1のきゅうりに納豆麹を加え、全体をよく混ぜ合わせます。
- 器に盛り付け、仕上げにお好みでごま油を回しかけます。
発酵食・腸活エキスパートが教えるこのレシピのワンポイント

納豆と米麹という2つの発酵食品を組み合わせた納豆麹は、それぞれの持つうま味が重なり、奥深い味わいを楽しめるのが魅力。切干大根や刻み昆布を合わせることで独特の食感とうま味が加わり、ご飯のお供としてはもちろん、日々の食卓を豊かにする万能なおかずになります。
納豆や切干大根、昆布には食物繊維も含まれており、発酵食品ならではの風味を楽しみながら、素材の栄養を手軽に取り入れられるのも嬉しいポイント。毎日飽きずに続けやすく、食卓に一品加えたいときにぴったりの一品です。
まとめ
手作りの納豆麹は、加熱後の温度管理やしっかり冷ます工程など、少しのコツを押さえるだけでご家庭でも失敗なく美味しく作ることができます。炊きたてのご飯にのせるのはもちろん、冷奴の薬味や旬の野菜を使った和え物など、毎日の献立で幅広く活躍してくれる万能な一品です。冷蔵庫にストックしておけば、忙しい日でも手軽に発酵食品を取り入れることができます。
ぜひお好みの具材やトッピングを試しながら、自家製ならではの奥深いうま味と豊かな風味を楽しんでみてくださいね。
発酵食大学おすすめ調味料と麹はこちら
このレシピの作成者(考案・監修)

発酵食大学レシピ開発チーム
(発酵食エキスパート在籍)
レシピ制作において大切にしていること
2013年から発酵食品のレシピ制作に関わっている発酵食大学の講師やスタッフが、「簡単で美味しくて、ヘルシー」をモットーに制作しています。
スーパーで気軽に手に入る食材を使い、忙しくても誰でも手軽に作ることができるレシピを心がけているので、日々のご飯づくりに参考にしていただけたら嬉しいです。
食物繊維と発酵食品を毎日コツコツ取り入れて「毎日菌トレ!」を目指しましょう。
発酵食大学のレシピ本

『発酵食大学の旨うまレシピ』がKADOKAWAから出版されています。毎日の料理が面倒な人こそ、発酵食品がおすすめです。
塩麹・醤油麹・酒粕・甘酒を使ったレシピ90点掲載。
料理が美味しくなるのはもちろん、色々な調味料を使わなくていい、簡単に味が決まる、腸の働きをよくしてくれるなど、発酵調味料を使った料理はいいことづくめ。毎日の料理が面倒な人、時間がない人こそ作ってほしい発酵の力を生かした、ヘルシーなレシピを紹介。
レシピ本を購入してくださった方の声
- 冷蔵庫で眠っていた塩麹や玉ねぎ麹、賞味期限を気にしなくても使い切れますね。
- 材料が少なくてとにかく簡単!
- 頑張らなくても野菜がたくさん食べられます。
- 添加物だらけの調味料とサヨナラして健康になれそう。
- あと一品欲しい時に重宝します。
など、発酵調味料を使った料理のハードルが下がったというレビューをたくさんいただいています!詳細はAmazonレビューをご覧ください。











