このレシピの作者発酵食大学
調理時間
40分(発酵時間は除く)
材料 作りやすい分量人分
| さつまいも(正味量) | 200g |
|---|---|
| 米麹 | 100g |
| 水(生麹の場合) | 100ml |
| 水(乾燥麹の場合) | 130ml |
調理手順
- さつまいもは蒸すか焼き芋にしてやわらかくしてから、皮をむいてフォークやマッシャーでつぶす。
- ペースト状になるまでつぶしたら、分量の水を加えてさっと混ぜる。麹も加えてよく混ぜる。
- ヨーグルトメーカーまたは炊飯器の保温モードで60度、6〜8時間保温してできあがり。途中3回程度かき混ぜる。
- 炊飯器で保温する場合は、温度が上がりすぎないようフタは完全に閉めず、開けたままにします。釜の上に濡れ布巾をかぶせ、その上からフタを開けた状態にすることで、温度をキープしやすくなります。温度計を使ってしっかり管理するのがおすすめ。
レシピのポイント
- 蒸したて・焼きたてのさつまいもは非常に高温です。水を加えてもまだ60度を超えている可能性が高く、その状態で麹を入れると酵素が死活し、甘くなりません。ペースト状につぶして水を加えたあと、全体が60度以下になってから麹を加えます。
- さつまいもは蒸しても良いですが、市販の焼き芋を使うのもおすすめ。じっくり加熱することでさつまいも自体のデンプンも糖化し、仕上がりの甘さと香ばしさが格段にアップします。皮の焦げ目は苦味になるので、使うのは黄色い身の部分だけにしましょう。
- 食べる甘酒のような濃厚なペースト状に仕上がります。もしサラッとしたドリンクタイプにしたい場合は、出来上がってから水や豆乳で割るか、最初から水を50〜100mlほど多めに入れて調整してください。
- 保存期間は冷蔵庫約1週間が目安です。冷凍する場合は、ジッパー付き袋などに入れて約1か月程度です。
- 完成後、小鍋に移してひと煮立ち(火入れ)させると、発酵が止まり味が変化しにくくなります。日持ちさせたい場合はおすすめです。

炊飯器で作る場合の注意点
炊飯器の保温機能を使って作る場合、フタを少し開けて保温するため、ヨーグルトメーカーに比べて水分が蒸発しやすくなります。
今回の分量(さつまいも200g)のままだと、量が少ないため乾燥しやすく、温度も安定しにくい傾向があります。失敗を防ぎ、しっとりと甘く仕上げるために、炊飯器で作る場合は材料をすべて「倍量(さつまいも400g、米麹200g〜)」にして仕込むことをおすすめします。
たくさんできても冷凍保存が可能ですので、ぜひ倍量で作ってみてください。

さつまいも甘酒の疑問とコツ(Q&A)
全然甘くなりません。何が原因ですか?
温度管理がうまくいかず、麹の酵素が働いていない可能性が高いです。
甘くならない原因は、主に以下の3つのパターンのいずれかです。
- 混ぜる時の温度が高すぎた(酵素の死滅):蒸したてのさつまいもが熱い状態(65度以上)で麹を混ぜると、その瞬間に酵素が壊れてしまいます。必ず60度以下に冷ましてから麹を入れてください。
- 保温中の温度が高すぎた(酵素の死滅):炊飯器の保温機能は、機種によって70度以上になることがあります。蓋を完全に閉めていたり、温度が高くなりすぎたりすると、途中で酵素が働かなくなります。蓋をずらして温度計で確認し、60度前後をキープすることが重要です。 ※一度熱で酵素が壊れると、後から温度を下げても甘くはなりません。
- 保温中の温度が低すぎた(発酵不足):温度が低すぎる(50度以下など)と、酵素の働きが鈍くなり、甘みが出るのに時間がかかります。 この場合はまだリカバリー可能です。全体をかき混ぜて温度を確認し、適温(60度)まで温め直してから、保温時間を数時間延長してみてください。
炊飯器で作ったら表面がカピカピに乾いてしまいました。
量が少なすぎたか、湿度が足りなかった可能性があります。炊飯器の保温は水分が飛びやすいため、少ない分量(さつまいも200gなど)で作ると乾燥してしまいます。炊飯器で作る場合は、材料を倍量にして仕込むのがおすすめです。また、濡れ布巾を内釜にかぶせて保湿し、蓋を少し開けた状態で保温することで、乾燥を防ぎながら適温をキープできます。
さつまいもの皮は入れたままでもいいですか?
お好みで皮付きのままでもOKです!皮にはポリフェノール(アントシアニン)や食物繊維などの栄養がたっぷり含まれているので、栄養価を重視したい場合は皮ごと使うのもおすすめです。ただし、皮を入れると仕上がりの色が少し黒っぽくなったり、皮のザラッとした食感が残ったりすることがあります。もし皮の食感が気になる場合は、出来上がった後にブレンダーやミキサーにかけてなめらかにすると美味しく召し上がれます。
どんな種類のさつまいもがおすすめですか?
さつまいも甘酒は、芋自体の糖度が高いほど仕上がりも濃厚になります。紅はるか、安納芋、シルクスイートなどのねっとり・しっとり系の品種を使うと、驚くほど甘く、スイーツのような味わいに仕上がります。紅あずま、五郎島金時などのホクホク系は、少しあっさりした仕上がりになります。
完成したさつまいも甘酒の保存期間は?
冷蔵で約1週間、冷凍で約1ヶ月です。出来上がったら清潔な密閉容器に移して冷蔵庫で保管し、1週間以内を目安に食べきってください。 すぐに食べきれない場合は、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍保存が可能です。冷凍してもカチカチには凍らないので、スプーンですくってそのままシャーベットのように食べるのもおすすめです。
酸っぱい味がするのですが、失敗でしょうか?
発酵時間が長すぎたか、雑菌が入った可能性があります。乳酸菌が増えすぎて酸味が出ている状態です。少しの酸味なら食べても問題ありませんが、不快な臭いがする場合や味が明らかにおかしい場合は、雑菌繁殖の恐れがあるため食べるのを控えてください。次回は、容器やスプーンを熱湯消毒してから作り、保温時間を少し短くしてみてください。
おすすめの食べ方・アレンジはありますか?
豆乳割りやトーストに塗ると美味しいです。
- さつまいも甘酒ラテ: 豆乳や牛乳と 1:1 で割ると、クリーミーで濃厚なドリンクになります。
- 甘酒トースト: バターを塗ったトーストの上にたっぷりのせて。
- ヨーグルトのソース: 砂糖の代わりにプレーンヨーグルトにかけて。 砂糖不使用なので、お子様のおやつや離乳食(後期〜)の甘みづけとしても活用できます。
発酵食・腸活エキスパートが教えるこのレシピのワンポイント

さつまいもには、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれています。一方、米麹で作る甘酒には、善玉菌の大好物であるオリゴ糖がたっぷり。 この2つを組み合わせることで、腸内環境を整える力が格段にアップします。
さらなる裏技として、出来上がったさつまいも甘酒を冷蔵庫で冷やして食べてみてください。さつまいものデンプンの一部がレジスタントスターチ(難消化性デンプン)という成分に変わり、食物繊維と同じような働きをして、より腸の奥まで届きやすくなります。温活ならホットで、整腸作用アップを狙うなら冷やして食べるのがおすすめです。
砂糖をスプーン1杯も使っていないのに、驚くほど甘くて濃密なさつまいも甘酒。一口食べれば、麹の力で引き出されたさつまいもの本来のポテンシャルに感動していただけるはずです。
「甘いものが食べたい、でも罪悪感は持ちたくない」そんな時に、心も体も満たしてくれる最高のおやつになります。
材料はたった2つだけ。炊飯器やヨーグルトメーカーに任せておくだけで、誰でも簡単に作れます。
さつまいもで美味しい腸活を始めてみてください。ぜひこの週末、仕込んでみませんか?
さつまいも甘酒の作り方動画
YouTubeでも詳しい作り方を紹介しています。
このレシピの作成者(考案・監修)

発酵食大学レシピ開発チーム
(発酵食エキスパート在籍)
レシピ制作において大切にしていること
2013年から発酵食品のレシピ制作に関わっている発酵食大学の講師やスタッフが、「簡単で美味しくて、ヘルシー」をモットーに制作しています。
スーパーで気軽に手に入る食材を使い、忙しくても誰でも手軽に作ることができるレシピを心がけているので、日々のご飯づくりに参考にしていただけたら嬉しいです。
食物繊維と発酵食品を毎日コツコツ取り入れて「毎日菌トレ!」を目指しましょう。
発酵食大学のレシピ本
『発酵食大学の旨うまレシピ』がKADOKAWAから出版されています。毎日の料理が面倒な人、時間がない人こそ作ってほしい発酵の力を生かした、ヘルシーなレシピを紹介。








