このレシピの作者発酵食大学
調理時間
10分(発酵時間は除く)
材料 作りやすい分量人分
| ゆであずき(砂糖不使用) | 250g |
|---|---|
| 乾燥麹 | 100g |
| 塩 | 小さじ1/2 |
| 水 | 70ml |
| 炊飯器で発酵あんこの作り方 |
調理手順
- ヨーグルトメーカーの容器に、ゆであずき、米麹、塩、水を入れ、清潔なスプーンでよく混ぜ合わせる。
- 容器を本体にセットし、フタをして60度で6〜8時間に設定して加温する。
- 2〜3時間おきに途中で全体をよくかき混ぜる。
レシピのポイント
食べてみて甘くなっていれば完成。粒感が気になる方は、ブレンダーやミキサーにかけてペースト状にすると、より口当たりが良くなります。
市販の水煮・蒸しあずきを使うと便利です。
乾燥あずきから自分で茹でる場合は、乾燥状態で約100g〜120gを茹でてください。
自分で茹でた小豆を使う場合は、水を加え必ず60度以下まで冷ましてから麹と混ぜてください。熱すぎると酵素が失活して甘くなりません。
2〜3時間おきに途中でよくかき混ぜてください。甘さが均一になります。
トーストにのせてあんバタートーストや、茹でたお餅にかけてぜんざい風にすると美味しいです。
清潔な容器に移し、冷蔵庫で約1週間が保存期間の目安です。冷凍庫では約1か月です。食べる時は自然解凍でOK。半解凍であずきアイスとして食べるのもおすすめです。
麹の酵素が最も活発に働くのは60度前後です。ヨーグルトメーカーならこの温度帯をキープできるので失敗なく作れます。
生麹を使う場合
麹は乾燥麹よりも水分を多く含んでいるため、基本の水の量(乾燥麹の場合)よりも少なめでスタートします。
目安としては110ml程度ですが、小豆の水分量によっても変わるため、最初は少なめに入れて様子を見てください。
混ぜた直後や保温し始めたばかりの頃は、水分が少なくパサパサして見えることがあります。
しかし、加温していくうちに麹と小豆から水分が出てきて、自然としっとりしてきます。
早い段階で慌てて水を足すと、後から水っぽくなりすぎてしまうため注意が必要です。
水を足すのは、スタートから3〜4時間経過して一度かき混ぜた際、それでもまだ粉っぽさが残っている場合のみ、ぬるま湯(60度程度)を少量足すようにしてください。

乾燥小豆(生の豆)から茹でる場合
市販のゆであずきではなく、生の豆から自分で茹でると風味も格別。コスパも良いです。時間がある時は、ぜひ豆を煮るところからチャレンジしてみてください。
今回のレシピ(ゆで小豆 250g分)を作るには、乾燥あずき:約100g を用意してください。
- あずきは水でさっと洗い、汚れを落とす。
- 鍋に小豆とたっぷりの水を入れ、沸騰させる。沸騰したらお湯を捨てる(これが渋抜きになります)。
- 再び鍋に小豆と新しい水を入れ、弱火〜中火でコトコトやわらかくなるまで煮る。常に小豆が水に浸かっているよう、水が減ったら足してください。
- 指で潰れる固さまで あずきを指で挟んで、軽い力で簡単にムニュッと潰れるくらいやわらかくなれば茹で上がりです。
ザルにあげて水気を切ったら、必ず水を加えた後60度以下(手で触れる熱さ)になるまで冷ましてください。熱々のまま麹を入れると酵素が死んでしまい、甘くなりません。
発酵過程では豆はこれ以上やわらかくならないため、ここで芯が残らないようにしっかりとやわらかく茹でるのが口当たりの良いあんこにするコツです。

発酵あんこをヨーグルトメーカーで作るときの疑問とコツ(Q&A)
ヨーグルトメーカーと炊飯器、どっちで作るのがいいですか?
失敗なくしっとり作りたいならヨーグルトメーカーが一番です。ヨーグルトメーカーは、密閉容器で一定温度を保つため、水分が逃げずしっとり仕上がります。温度管理が自動なので、失敗のリスクがないのが最大のメリットです。 方、炊飯器は水分が飛びやすいため、少し硬めで凝縮された濃厚な甘さになります。なめらかな食感や安定感を求めるなら、ヨーグルトメーカーがおすすめです。
設定温度通りにしたのに、甘みが弱いです。なぜですか?
かき混ぜ不足による温度ムラの可能性があります。ヨーグルトメーカーは容器が縦長の場合が多く、ヒーターに近い部分と遠い部分で温度差が出やすい傾向があります。 温度が低い場所があると発酵が進まないため、2〜3時間に1回はフタを開けて、底からしっかりかき混ぜて温度を均一にしてください。これだけで甘さがグンと増します。
水っぽくなってしまいました。どうすればいいですか?
そのまま食べるか、少し煮詰めてください。ヨーグルトメーカーは水分が蒸発しないため、炊飯器で作るよりも水分が多く、ゆるい仕上がりになることがあります。冷やすと少しかたくなりますが、それでも水っぽい場合は、鍋に移して弱火で少し煮詰めるか、きな粉などを混ぜて食べると美味しいです。次回作る時は、水を少し減らして調整してみてください。
酸っぱい味がします。失敗ですか?
雑菌が繁殖している可能性があるため、食べるのは控えてください。ヨーグルトメーカーの容器やスプーンの消毒が不十分だと、長時間保温している間に雑菌が繁殖し、酸味や異臭が出ることがあります。使用する器具は、必ず熱湯消毒やアルコール消毒をしてから使いましょう。
乾燥あずき(生の豆)からでも作れますか?
はい、作れます。 今回のレシピは手軽なゆであずきを使っていますが、生の豆をやわらかく茹でてから作ることも可能です。その場合は、指で潰れるくらいやわらかく茹でて、必ず水を加えて60度以下まで冷ましてから容器に入れてください。茹でたての熱々と麹を混ぜると失敗します。
保存期間はどれくらいですか?
冷蔵で約1週間、冷凍で約1か月です。清潔な容器に移して冷蔵庫で保存してください。一度に食べきれない場合は、1食分ずつ小分けにして冷凍保存するのが便利です。解凍してそのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトに混ぜたり、トーストに乗せたりと万能に使えます。
普通のあんことは何が違うのですか?(腸活へのメリットは?)
糖の質と腸内細菌のエサが違います。普通のあんこは砂糖(ショ糖)を大量に使いますが、発酵あんこの甘みは、麹の酵素が分解して生まれたブドウ糖やオリゴ糖です。 特にオリゴ糖は、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える強い味方です。また、小豆の皮に含まれる不溶性食物繊維と、麹の働きで生成される成分が合わさることで、お通じの改善も期待できます。
温めて食べたり、焼き菓子に入れたりしても効果はありますか?
酵素は失活しますが、腸活効果は残ります。加熱すると麹の酵素自体は働きを止めますが、腸内細菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維、麹菌の死菌(菌の死骸)は残ります。これらは腸の免疫細胞を刺激したり、善玉菌を助けたりする働きがあるため、加熱しても十分に健康効果が期待できます。
ダイエット中ですが、カロリーはありますか?
砂糖不使用ですが、糖質(炭水化物)はあるので食べ過ぎには注意です。小豆と米麹はお米と同じ炭水化物です。いくら食べても太らないわけではないので、1日スプーン2〜3杯を目安に、普段のおやつや砂糖の代わりとして上手に取り入れてください。

発酵食・腸活エキスパートが教えるこのレシピのワンポイント
「甘くならない…」を防ぐ!発酵あんこ作り方の最大のコツは温度と水分です。
砂糖不使用でも驚くほど甘くなる発酵あんこ。失敗しないためには、以下の3点がポイントです。
- 【重要】麹を入れる温度は60℃以下で!茹でたあずきが熱々の状態で米麹を混ぜてしまうと、酵素が働かず甘みが生まれません。ご自身であずきを茹でて使う場合は、水を入れ、必ず60℃(指を入れて少し熱いと感じる程度)まで冷ましてから混ぜ合わせましょう。これが美味しい発酵あんこの作り方の鉄則です。
- 保温を始めてから3〜4時間後に一度全体を混ぜ合わせると、温度と発酵菌が均一に行き渡り、より甘みが強く、ふっくらとした仕上がりになります。
- 発酵あんこは炊飯器でも十分甘くおいしく作れますが、炊飯器や魔法瓶では温度管理が難しく、「酸っぱくなった」「甘くならない」といった失敗するリスクもあります。温度を一定に保てるヨーグルトメーカーを使えば、誰でも失敗なく作れます。
手間はかかりますが、腸内環境を整える「腸活」効果も抜群の優しい甘さをぜひ体験してください。
動画でも発酵あんこの作り方を解説しています
このレシピの作成者(考案・監修)

発酵食大学レシピ開発チーム
(発酵食エキスパート在籍)
レシピ制作において大切にしていること
2013年から発酵食品のレシピ制作に関わっている発酵食大学の講師やスタッフが、「簡単で美味しくて、ヘルシー」をモットーに制作しています。
スーパーで気軽に手に入る食材を使い、忙しくても誰でも手軽に作ることができるレシピを心がけているので、日々のご飯づくりに参考にしていただけたら嬉しいです。
食物繊維と発酵食品を毎日コツコツ取り入れて「毎日菌トレ!」を目指しましょう。
発酵食大学のレシピ本
『発酵食大学の旨うまレシピ』がKADOKAWAから出版されています。毎日の料理が面倒な人、時間がない人こそ作ってほしい発酵の力を生かした、ヘルシーなレシピを紹介。








