砂糖不使用!さつまいも甘酒の作り方・レシピ【炊飯器・ヨーグルトメーカー】

このレシピの作者発酵食大学

まるでスイーツ。砂糖不使用、麹で作るさつまいも甘酒のレシピです。炊飯器やヨーグルトメーカーを使った簡単な作り方をご紹介します。炊飯器で作る場合は、ジッパー付き袋(保存袋)を使って作ります。袋を使うことで、少ない分量でも失敗なく手軽に作ることができます。豆乳や牛乳で割ってドリンクとして飲むだけでなく、ジャムのようにパンやクラッカーに塗ったり、凍らせてアイスにしたり、子どものおやつや離乳食にもおすすめ。麹の力で甘みを引き出す、失敗しない方法をご紹介します。
さつまいも甘酒の完成イメージ

調理時間

60分(発酵時間は除く)

材料  作りやすい分量人分

さつまいも 1本(250g)
米麹(乾燥または生) 100g
150ml

調理手順

  1. さつまいもは適当な大きさに切って炊飯器の内釜に入れ、水を100〜200ml加えて炊飯ボタンを押して蒸す。ヨーグルトメーカーの場合は、蒸すまたは電子レンジで加熱しておく。
  2. 皮をむきジッパー付き袋に入れて潰しながらもむ。水と麹を加えてさらによく混ぜ合わせる。ヨーグルトメーカーの場合は蒸したさつまいもを容器に入れて潰し、水、乾燥麹を加えて混ぜ合わせる。
  3. 炊飯器の内釜にジッパー袋を入れて、ぬるま湯(または水)をかぶるくらいまで入れ、フタをあけたまま10時間保温する。ヨーグルトメーカーの場合は容器を本体にセットし60度で8時間加温する。
  4. できあがったら好みでブレンダーなどでなめらかにする。

レシピのポイント

温度管理について

一番のポイントは温度です。加熱直後の熱いさつまいもに麹を入れると酵素が失活して甘くなりません。水を入れて必ず60度程度(袋の上から触って、お風呂より少し熱いくらい)まで冷ましてから麹を加えてください。

炊飯器で作る場合

さつまいもを「蒸す」工程から「保温(発酵)」まで炊飯器ひとつで完結します。ジッパー付き袋(必ず耐熱タイプを使用)に入れて調理することで、洗い物が減り、保温時は内釜も汚れず手軽に作れます。

ヨーグルトメーカーの場合

事前にさつまいもを柔らかくしておきます。

  • 電子レンジ:耐熱ボウルに入れラップをかけ、600Wで約4〜5分。
  • 蒸し器:約15分(竹串がスッと通るまで)。
下準備と調整

さつまいもは切ってから水に5〜10分さらしてアク抜きをすると、色が鮮やかに仕上がります。
水の量は麹の種類(乾燥・生)に関わらず同じですが、さつまいもの水分量によって固さが変わるため、様子を見て調整してください。

保存期間

冷蔵庫で保存し1週間を目安に食べ切ってください。冷凍の場合は約1か月保存可能です。1回分ずつ小分けにして冷凍すると便利です。

さつまいも甘酒の完成イメージ

レシピの疑問とコツ(Q&A)

甘くならずにおかゆのようになってしまいました。なぜですか?

混ぜる時の温度が高すぎた可能性があります。麹に含まれる酵素は熱に弱く、70度以上になると働きが止まってしまいます(失活)。さつまいもを加熱した後は、必ず水を加えて60度以下(指を入れてずっと触っていられる程度)まで冷ましてから麹を混ぜてください。逆に温度が低すぎても発酵が進まないので、炊飯器やヨーグルトメーカーで60度程度をキープするのがコツです。

おすすめのさつまいもの品種はありますか?

ねっとり系でもホクホク系でも、お好みのもので美味しく作れます。さつまいもの品種によって、仕上がりの食感や甘さが変わります。ぜひ気分に合わせて選んでみてください。とろ〜り濃厚派ならねっとり系。紅はるかや安納芋などがおすすめ。水分が多く糖度が高いため、まるでジャムのようにとろける、濃厚な甘さに仕上がります。さっぱり懐かしい味ならホクホク系。五郎島金時や鳴門金時、紅あずまなどがおすすめ。上品な甘さで、お芋本来の風味や粒感を楽しみたい方にぴったりです。

酸っぱい味がするのですが、失敗ですか?

雑菌が入ってしまった可能性があります。甘酒作りは、清潔な容器・器具を使うことが基本です。酸味がある、異臭がする場合は雑菌が繁殖している可能性があるため、食べるのは控えてください。ごくわずかな酸味であれば、乳酸菌による発酵の可能性がありますが、基本的には「甘い」のが正解です。

保存方法と期間を教えてください。

冷蔵で1週間、冷凍で1か月が目安です。できあがったらすぐに清潔な保存容器に移し、粗熱が取れてから冷蔵庫へ入れてください。一度に食べきれない場合は、1食分ずつラップに包むか、製氷皿に入れて冷凍保存するのが便利です。半解凍で食べるとシャーベットのようになり、絶品のアイス代わりになります。

皮付きのまま作っても大丈夫ですか?

問題ありませんが、皮をむいた方が口当たりが良くなります。皮にはポリフェノール(アントシアニン)が含まれているため、栄養を丸ごと摂りたい場合は皮付きでもOKです。ただし、皮が入ると少し黒っぽい色になり、食感が残ります。鮮やかな黄色に仕上げたい場合や、なめらかにしたい場合は、皮をむくことをおすすめします。

水にさらしてアク抜きしたほうがいいですか?

きれいな黄金色に仕上げたいなら、アク抜きをおすすめします。必須ではありませんが、アク(ポリフェノールの一種)を抜くことで、加熱しても黒ずみにくく、鮮やかな黄色に仕上がります。また、特有の渋みや雑味が抜けて、よりスッキリとした上品な甘さになります。ご自宅用で「見た目は気にしない」「時短したい」「栄養を丸ごと摂りたい」という場合は、省略しても美味しく作れます。

炊飯器とヨーグルトメーカー、どっちで作るのが良いですか

失敗のなさならヨーグルトメーカー、工程の手軽さなら炊飯器がおすすめです。それぞれの特徴に合わせて選んでみてください。

  • ヨーグルトメーカーは温度管理が自動で正確なため、一番甘く、失敗なく作れます。さつまいも甘酒の甘さを引き出すには温度を60度程度にキープすることが最重要です。ボタンひとつで温度が一定に保てるため、初めての方や、最高に甘く仕上げたい方には特におすすめです。
  • 炊飯器は専用の道具を買わずに、家にあるものですぐに作れるのが魅力です。また、さつまいもを蒸す工程から保温して完成まで、炊飯器ひとつで完結できます。ただし、炊飯器の保温機能は温度が高くなりすぎる(70度を超えてしまう)ことがあるため、フタを開けたままにする、お湯の温度を確認するといった温度調整の工夫が甘く仕上げるポイントです。
炊飯器の場合、ジッパー付き袋を使わずに作る方法はありますか?

袋を使わずに内釜で直接作ることも可能です。ただし、炊飯器のフタを開けて保温するため、袋を使わない場合は水分が蒸発しやすくなります。乾燥を防ぎ温度を安定させるため、倍量(レシピの2倍の量)で作ることをおすすめします。内釜に直接入れて作る詳しい手順については、下記の記事に記載されていますので、こちらをご覧ください。

 

発酵食・腸活エキスパートが教えるこのレシピのワンポイント

さつまいも甘酒を混ぜているところ

麹の酵素(アミラーゼ)はデンプンを糖に変えますが、元々のさつまいもが持つ水分量と甘みも仕上がりに大きく影響します。ねっとり系(紅はるか、安納芋など)は濃厚でクリームのような、ジャムに近い仕上がりになります。甘さを追求したい方におすすめ。ホクホク系(紅あずま、鳴門金時など)はさっぱりとした上品な甘さと、お芋らしい食感が残ります。

米麹は善玉菌のエサとなるオリゴ糖やビタミンB群が豊富。さつまいもは水溶性・不溶性の食物繊維、そして熱に強いビタミンCがたっぷり。これらを組み合わせることで、菌(麹)と菌のエサ(食物繊維)を同時に摂取できるシンバイオティクスの状態になり、腸内環境を整える効果が格段にアップします。

麹の甘みを引き出す最適温度は60℃前後です。炊飯器の保温機能を使う際、温度が高くなりすぎると酵素が働かなくなってしまいます。レシピにある通りフタを開けたままにし、濡れ布巾をかけるなどして温度調整をすることで、失敗なく甘〜い仕上がりになりますよ。

出来上がったペーストは、そのまま食べるのはもちろん、豆乳で割ってさつまいもラテにしたり、トーストに塗ってきな粉を振ったりするのも絶品です!

動画で見る炊飯器でさつまいも甘酒の作り方

YouTubeでも炊飯器とシッパー付き袋を使って、さつまいも甘酒の詳しいレシピを紹介しています。

このレシピの作成者(考案・監修)


発酵食大学レシピ開発チーム
(発酵食エキスパート在籍)

レシピ制作において大切にしていること

2013年から発酵食品のレシピ制作に関わっている発酵食大学の講師やスタッフが、「簡単で美味しくて、ヘルシー」をモットーに制作しています。
スーパーで気軽に手に入る食材を使い、忙しくても誰でも手軽に作ることができるレシピを心がけているので、日々のご飯づくりに参考にしていただけたら嬉しいです。
食物繊維と発酵食品を毎日コツコツ取り入れて「毎日菌トレ!」を目指しましょう。

発酵食大学のレシピ本

発酵食大学の旨うまレシピ』がKADOKAWAから出版されています。毎日の料理が面倒な人、時間がない人こそ作ってほしい発酵の力を生かした、ヘルシーなレシピを紹介。

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