このレシピの作者発酵食大学
調理時間
10分(発酵時間は除く)
材料 作りやすい分量人分
| 麹(生または乾燥) | 200g |
|---|---|
| 粗塩 | 60g(乾燥麹の場合 70g) |
| 水 | 200ml(乾燥麹の場合 260ml) |
| ヨーグルトメーカー | |
| 醤油麹の作り方はこちら | |
| 甘酒の作り方はこちら |
調理手順
- 清潔な保存容器に乾燥麹を入れる。麹が固まっている場合は袋の上からほぐしておく。
- 麹の上に粗塩を入れ、水を注ぐ。清潔なスプーンでよくかき混ぜる。
- フタをして湿気の少ない清潔な場所で常温保存する。ヨーグルトメーカーを使う場合は温度を60度、6時間に設定する。
- 1~2日に1回、清潔なスプーンでよくかき混ぜる。(十分なとろみが出てきたら2~3日に1回混ぜる程度でOK)
レシピのポイント
発酵・熟成
かき混ぜる頻度 とろみが出てきたら、週に1~2回は必ずかき混ぜてください。底から空気を含ませるように混ぜるのがコツです。
完成の目安(期間) 麹の粒が指で潰れるくらい柔らかくなり、とろみとまろやかな旨味が出たら完成です。
- 夏場:約2週間
- 冬場:約1か月 ※冬場は発酵が進みにくいため、リビングなど暖かい場所に置いてください。
仕上がりの違い 常温で作ったものは、ヨーグルトメーカーで作るよりも「さらっとした仕上がり」になります。
保存・賞味期限
- 完成後は冷蔵庫で保存し、3ヶ月以内を目安に使い切ってください。
- 時間が経つと色が濃くなることがありますが、品質には問題ありません。
材料・使い方のメモ
- 塩の種類:ミネラルの多い塩(天然塩など)を使うと、仕上がりの色が少し濃くなることがあります。
- 塩分濃度:このレシピでは約13%に仕上がります。
- 使用量の目安(黄金比): お肉やお魚の下味に使う場合は、食材の重量の10%(お肉100gに対して塩麹10g)が目安です。

このレシピの疑問とコツ(Q&A)
塩の量を減らしても良いですか?
塩の量を減らすのはおすすめしていません。塩は味付けだけでなく、雑菌の繁殖を防ぐ「防腐剤」の役割をしています。塩分濃度を下げると、発酵する前に腐敗したり、カビが生えたりするリスクが高まります。減塩されたい場合は、レシピ通り(13%)で作っていただき、お料理に使う量を減らして調整するのが、安全で一番美味しく仕上がります。
どんな容器で作るのが良いですか?
おすすめは、塩や酸に強く匂い移りもしにくいガラス製またはホーロー製の保存容器です。煮沸消毒ができる耐熱ガラスならさらに安心です。毎日かき混ぜる必要があるため、スプーンが入りやすい広口のものを選んでください。
生麹と乾燥麹、どちらがおすすめですか?
どちらも美味しく仕上がりますが、それぞれの特徴に合わせて選ぶのがおすすめです。生麹は、豊かな香りと風味が魅力ですが、賞味期限が短く入手しにくいのが難点です。乾燥麹は、長期保存ができスーパーで手軽に買えるため、初心者の方におすすめです。
色が茶色っぽく(またはグレーに)変色してきました。
熟成による自然な変化(メイラード反応)の可能性が高いです。熟成期間が長くなったり、保管温度が高かったりすると、アミノ酸と糖が反応して茶色っぽく色づくことがありますが、味や品質には問題ありません。ただし、表面にフワフワした青や黒の毛が生えている(カビ)場合や、異臭がする場合は腐敗ですので食べずに処分してください。※表面が少し白くなっているのは、産膜酵母(無害)の場合が多いですが、気になる場合は取り除いてください。
粒々が気になるのですが、なめらかにしてもいいですか?
はい、ミキサーやブレンダーでペースト状にするのもおすすめです。完成後にミキサーにかけると、クリーム状のなめらかな塩麹になります。食材になじみやすくなるため、ドレッシングに使ったり、お肉に塗るときにムラなく漬け込めたりと、使い勝手がさらに良くなります。
冷凍保存はできますか?
はい、可能です。塩分濃度が高いため、家庭用の冷凍庫に入れてもカチカチには凍らず、シャーベット状になります。スプーンですくってそのまま使えるので便利です。冷凍なら発酵がストップするため、半年ほど日持ちします。作るのが大変だから一度にたくさん作りたいという方には冷凍保存がおすすめです。
水道水を使ってもいいですか?
はい、日本の水道水であれば問題ありません。カルキ臭が気になる場合は、一度沸騰させて冷ました水や、浄水器を通した水をお使いください。ミネラルウォーターを使う場合は、軟水がおすすめです。
バナナのような甘い香りや、お酒のような香りがします。
発酵が順調に進んでいる証拠です。熟成が進むと、フルーティーな香りやアルコールのような芳醇な香りがしてきます。これは酵母が元気に活動している証拠ですので、安心してお使いください。逆に腐った雑巾のような臭い、明らかに酸っぱい不快な臭いがする場合は、雑菌が繁殖している可能性があるため、残念ですが廃棄してください。
おすすめの使い方やレシピはありますか?
お肉やお魚の下味から、ドレッシング、隠し味まで、万能に使えます。塩麹は、素材のうま味を引き出し、柔らかくする魔法のような調味料です。いつもの塩の代わりに使う感覚で、様々な料理に取り入れてみてください。特におすすめの使い方をご紹介します。
- お肉やお魚を柔らかくジューシーに(下味として):これが最も効果を感じられる使い方です。鶏肉、豚肉、魚の切り身など、食材の重さに対して約10%の塩麹をまぶし、冷蔵庫で数時間~一晩寝かせてから加熱調理します。麹の酵素の働きで、安いお肉もしっとり柔らかくなり、うま味が増します。鶏肉の塩麹唐揚げ、豚バラ肉の塩麹漬け焼き、鮭の塩麹焼き
- 野菜と合わせて腸活おかず(和え物・ドレッシング)塩麹の塩味とうま味は、野菜との相性も抜群です。野菜に含まれる食物繊維と組み合わせることで、より効果的な腸活メニューになります。
即席漬け:きゅうり、カブ、キャベツなどをカットし、塩麹で和えて少し置くだけで美味しい浅漬けに。オリーブオイル、酢(またはレモン汁)、塩麹を混ぜ合わせるだけで、風味豊かな発酵ドレッシングが完成します。サラダにたっぷりかけてどうぞ。塩麹の簡単ドレッシング - スープや煮物のコク出し(隠し味として)コンソメや顆粒だしの使用量を減らし、代わりに塩麹を少し加えると、味に深みと複雑なコクが生まれます。スープ、カレー、シチュー、お味噌汁の隠し味にもおすすめです。
発酵食・腸活エキスパートが教える『塩麹』のワンポイント

酵素の力を活かす!&食物繊維との『シンバイオティクス』がカギ
塩麹に含まれる酵素は、食材のうま味を引き出し、お肉を柔らかくする働きがあります。この酵素の力は、下味として使うことで加熱調理後も十分に発揮されます。
さらに、腸活効果を期待するなら、このポイントを押さえましょう。
食物繊維とセットで摂るのがおすすめ
塩麹は調味料のため、一度に摂れる量は限られます。そこでおすすめなのが、食物繊維が豊富な野菜やきのこ、海藻類と組み合わせること。塩麹のうま味で野菜がもりもり食べられますし、野菜に含まれる食物繊維が腸内で善玉菌の餌(プレバイオティクス)となります。塩麹の発酵パワーと合わせることで相乗効果が生まれ、より腸内環境を整える手助けとなりますよ。
発酵と聞くと難しそうに感じますが、作ってみると本当に簡単です。ぜひ気軽にチャレンジしてみてくださいね。毎日少しずつ、無理なく食事に取り入れていきましょう。
このレシピの作成者(考案・監修)

発酵食大学レシピ開発チーム
(発酵食エキスパート在籍)
レシピ制作において大切にしていること
2013年から発酵食品のレシピ制作に関わっている発酵食大学の講師やスタッフが、「簡単で美味しくて、ヘルシー」をモットーに制作しています。
スーパーで気軽に手に入る食材を使い、忙しくても誰でも手軽に作ることができるレシピを心がけているので、日々のご飯づくりに参考にしていただけたら嬉しいです。
食物繊維と発酵食品を毎日コツコツ取り入れて「毎日菌トレ!」を目指しましょう。
発酵食大学のレシピ本
『発酵食大学の旨うまレシピ』がKADOKAWAから出版されています。毎日の料理が面倒な人、時間がない人こそ作ってほしい発酵の力を生かした、ヘルシーなレシピを紹介。








